飼っているわんちゃんの子供がほしい。
そう思う方はたくさんいらっしゃると思います。
妊娠出産はかなり大変です。
しっかりと準備し、計画的に行いましょう。
発情周期
通常、生後7ヶ月を過ぎたメス犬には発情期が来るようになり(中・大型犬の場合は8ヶ月以降)、発情周期は6ヶ月に1度(1年に2度)が平均です。
一方オス犬には明確な発情周期がなく、生後11ヶ月を過ぎたら1年中交尾が可能な状態になります。
交配に最適な時期
自分の飼い犬に出産をさせようと決めたら、まず健康診断を受けて寄生虫、遺伝病、その他の病気がないことを確認しましょう。
混合ワクチン・狂犬病ワクチン・フィラリア予防・ノミダニ予防もしておいたほうがよいでしょう。
お父さん犬も探さないといけません。
遺伝病などないことも確認できるといいでしょう。
交配日を決めるにはわんちゃんの発情サイクルを把握し、排卵日を予想する必要があります。
排卵日から3~5日が受精しやすいといわれています。
ワンちゃんは発情出血が始まってから1~2週間ほどで排卵をしますが、かなり個体差があります。
排卵日の予想としてはプロジェステロンの測定、膣スメアー検査があります。
プロジェステロン測定
プロジェステロンを毎日測定できれば排卵日はかなり正確にわかりますが、費用が高額になってしまいます。
膣スメアー検査
膣スメアー検査は低費用で簡単に検査できますが、排卵日の予想には3~5日のズレがでてしまいます。
男の子と女の子を一緒に飼っているような場合は発情がきたら、相性さえよければ自然に交配します。
排卵日を把握しなくても、本能でちょうどいいタイミングで交配できるのです。
相性が悪い場合は人間が介助しながら交配したり、人工受精する必要があります。
妊娠鑑定
妊娠したかはエコー、レントゲン検査でわかります。
エコーは交配約1ヵ月後
レントゲンは交配約45日後
に判定できます。
一般的には交配30日前後でエコーで妊娠鑑定をし、出産直前にレントゲンで頭数確認・産道と胎児の大きさを評価し難産を予想します。
出産
交配から約64日でわんちゃんは出産します。
床を引っかくような営巣行動や落ち着きなくうろうろするなどの行動が見られたら、いよいよ出産が近いというサインです。
お産箱を用意してください。
産箱は市販されているものもありますが、ダンボールで作っても構いません。
お産の状況がわかるように天井はなく、人の視線を遮るような壁をつくるといいでしょう。
あまりに小さいと赤ちゃんを踏み潰すこともあるのですこし動けるくらいの広さが必要です。
寒くないよう体温調整できる電気マットを下にひくのもいいでしょう。
毎日2・3回の体温測定を行ってください。
ワンちゃん用の体温計が理想ですが、人間用の体温計でもかまいません。
お尻の穴に入れて、直腸の壁にくっつけるように測ります。
体温が37℃ぐらいに下がってきたら12時間以内に出産が始まります。
出産は場合によっては帝王切開が必要な場合もあります。
できる限りかかりつけの先生に相談し、分娩兆候がでましたら動物病院に連絡をいれておきましょう。
分娩所要時間
・全体で24時間を超えるべきではない
・子犬の分娩間隔は変動しやすく、平均2時間程度
・最初の子犬と2番目の子犬の間隔はしばしば長くなる
・3番目の子犬以降の分娩間隔は30分程度
・分娩の終了が近づくと再び間隔が長くなる
赤ちゃんが産まれたらお母さんが舐めて呼吸するように刺激してくれます。
また膜とヘソの緒を舐め取ってくれます。
万が一赤ちゃんが呼吸していない場合はタオルで擦ったり、口の中の羊水を除去して呼吸をさせる必要があります。
ヘソの緒、膜がとれない場合は人間が糸で縛ったりしてとってあげる必要があります。
産まれた赤ちゃんをお母さんのお乳に誘導して吸わせます。
この刺激がさらに分娩を促します。
難産介助の指標
・交配後72日目以上経過
・直腸温低下後24時間しても陣痛なし
・低下した直腸温が戻っても分娩微候なし
・微弱な陣痛が見られ、4時間以上続くが娩出されない
・強い陣痛が30分以上続くが娩出されない
・第1破水から2・3時間しても娩出されない
・3時間たっても次の胎子が娩出されない
・分娩が24時間以上続く
・陰門から緑色の排液があるが2・4時間以内に娩出されない
・子犬が産道から半身を出したまま3分経過
・母犬に全身性疾患の徴候が認められる
上記のような場合、至急かかりつけの先生に連絡しましょう。
当院での出産の様子
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