猫の下部泌尿器症候群 | 戸部ウータン動物病院のブログ

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すべての猫ちゃんの病気のうちの10%は、この病気で、大変よく見られる病気です。にゃー

一生のうち一度は、この病気に罹ってもおかしくないと言われています。チューリップ黄


・何回もトイレに通うが、尿が少ないか出ない。
・トイレで長くきばったりする。
・ポタポタと尿がもれたりする。
・尿に血が混ざっている。
・お腹を痛そうにして元気がでない。


このような症状がでると疑われます。てんとうむし
最悪の場合は、膀胱からの尿がまったく出なくなり、そのままにしておくとかなり危険です。ぶーぶー
おしっこは体の毒素を排泄しています。ブタ
おしっこが出ないと体にどんどん毒素がたまってしまうからです。これを尿毒症といいます。おやしらず
膀胱からの尿がまったく出なくなった場合は、お腹を軽く触ると、膀胱が硬くなっています。宇宙人
まるで木でできたボールのようです。ヒヨコ
一刻も早く処置をしなければなりません。ホテル


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膀胱が硬くなっていない場合は少し余裕がありますが、やはり直ちに治療が必要となります。オバケ
治療をするためには検査も必要となります。ねこへび
尿検査・血液検査・X線撮影検査や超音波検査等


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どんな程度に下部泌尿器症候群が存在しているのか、尿毒症の程度などを注意深く調べます。わんわん


原因がわかればそれに対して治療をしていきます。おうし座
原因は様々なことが考えられます。星
代表的には結石、膀胱炎などが挙げられます。ヒマワリ



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結石や膀胱炎を予防する為にはいくつか工夫できることがあります。ペンギン


1)いつでも尿をしやすい環境を作る。カエル
 ねこちゃんは排泄行為に関しては特に神経質な子が多いです。

 他のねこちゃんがしたトイレを嫌う傾向があります。
 多頭飼いのねこちゃんの家庭では尿石症・膀胱炎が起こる子が多いともいわれています。
 できれば頭数以上のトイレの数を設置することをお勧めします。


2)新鮮な水や、飲み易くした水をいつでも飲める環境を作る。ブーケ1
 猫ちゃんが尿石症を起こしやすい原因として、おしっこが濃いことが考えられます。
 もともと砂漠の生き物の猫ちゃんはお水をあまり飲みません。
 できる限りお水を多く飲ませ、薄いおしっこをたくさんさせるようにしましょう。
 冬場に結石症が多くなるのも飲水量の低下が原因と考えられます。
 
3)ストレスを少なくし、落ち着く環境を作るうり坊
 猫ちゃんの膀胱炎の原因としてストレスが考えられるからです。


4)通常のドライフードの場合は、特別療法食か缶詰フードにする。ブタネコ
 尿石症用のご飯は喉が渇くように作られていますので飲む水の量が増えます。
 また結石の組成分であるミネラルも少なくなっています。
 缶詰フードはドライに比べ、水分含有量が多いので水分を多く摂取できます。
 歯石予防に最後に少しだけドライを食べさせると効果的です。

 ※尿石症用の処方食は体によくない物もあります。

  腎臓に負担がかかったり、肥満になりやすかったりします。

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  どうしても結石ができる子は処方食をお勧めしますが、
  トータルバランスの良い食事で管理できればそのほうがよいでしょう。

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  ご飯選びは担当の先生とよく相談して決めることをお勧めします。


5)肥満の場合はダイエットブタ
 猫ちゃんは肥満により、尿道が細くなる傾向があります。
 ほかにも糖尿病・膵炎など怖い病気になる可能性が高いのでダイエットしましょう。


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この下部泌尿器症候群は根気よく治療すれば、ほとんどの場合は治りますが、
まれに治療は長期間となり、どうしても助からない場合もあります。クマ
俗に言う難治性の下部泌尿器症候群です。
場合によっては手術が必要な場合もあります。もみじ


担当の先生としっかり相談して、極力ねこちゃんにストレスの少ない治療法、管理方法を模索してください。ブタネコ