私は、当時の親友だったKちゃんに相談した。
Kは、「えらい」と褒めてくれて、一冊の本をくれた。
うそ。
その本はそれより10年も前にKが私にくれた物。
その本は一見、恋愛本とはわからない恋愛本。
本好きのKがたまたま読んで、
ビックリして私にくれたのだ。
そのとき、19歳だったのKの言葉。
K
「まゆは、私が男の人に怖いくらいやたらと尽くされることを知っているよね?
それがなんでだかわかった!
音(共通の友達でいつも変な男と付き合っている)は、男をダメにする女。
まゆは男をダメにする女ではないけれど、男にあぐらをかかせる女。」
当時10代だった私は、
本をペラペラめくり
恋愛本だとわかるやいなやパタンと閉じ、
ふんっといらだった。
音ちゃんは、いつも彼氏がいた。
音ちゃんはいつも彼氏を優先し、
いつも電話を掛けてお土産を買っていった。
とても良い彼女だった。
けど、どの彼氏もいつもすぐに働かなくなったし、浮気をした。
私は、いつも彼氏がいたわけじゃないけど、
彼氏が出来ても、本当に彼氏?と思うほど
大切にされなかったし、いつの間にか消滅していた。
Kの言ってることは事実だった。
だけど、
そのときは、Kの自慢に感じてしまったのだ。
私だってモテルもんッ!
そんな駆け引きしたって、本当の自分を好きになって貰えるわけじゃないじゃん!
そう思いたかったし、
わたしは、本当の自分を好きになって貰うんだ!
そんな風に感じた。
そう感じたことを、いまでも昨日のことのように覚えている。
それが
ほら吹き男と関わったことで、
やっと自分自身の恋愛に疑問を持ち、
やっと直視する準備が出来たのだった。
あれから10年経って、
私は30になり、ほら吹き男との恋愛でボロボロ。
Kは素敵な男性に愛され、よりキラキラ素敵女子になっていた。