しゃべるインコと多頭飼い |   Flying in the sky Sasuke

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   ~アキクサ達と文鳥のシルバのお話です~

インコを飼っていると言うと必ず聞かれるのが、

「何かしゃべる?」

(飼っているという言い方は好きではないけど対外的には仕方ない)

 

確かに・・・

お話しするセキセイインコはユーチューブに溢れています。

素人さんから見れば、インコ=しゃべる鳥となるのでしょう。

 

ちなみに何故、人間の言葉をしゃべるか、考えたことがありますか?

理由は簡単で、コミュニケーションを取ろうとしているのです。

 

セキセイインコやオカメインコ、アキクサインコも群れで暮らす鳥です。

群れの中では、しゃべる(鳴く)ことで様々なやり取りをしています。

ところが、人間の世界で暮らすと仲間の数は激減します。

特に単独飼いの場合、仲間は飼い主を含む人間のみです。

だから飼い主が一生懸命話しかけると、その言葉をコミュニケーションのツールとして覚えようとするのです。

 

でも、当然、人間の言葉を真似することは出来ても、理解すること出来ません。

 

飼い主にとっては、しゃべった、しゃべった・・・となるかもしれません。

鳥にとっては必死に覚えた訳の分からない言葉。

おはようもおやすみも、自分の名前も意味は分からない。

当然、昔話もまったく分からない。

朝、人間が「おはよう」と言って鳥が「おはよう」というのは、朝という言葉を理解している訳ではなく、オウム返しをしているだけです。

 

否定する訳ではありませんよ。

別に虐待している訳ではないし、鳥が嫌な思いをしている訳でもない、多分。

 

愛鳥に言葉を覚えさせることで、愛着が増し、少しの自慢もでき、機嫌が良くなる飼い主。

愛鳥の待遇が良くなる可能性はある。

そう考えれば、飼い主が言葉を覚えさせるのは問題ないと思う。

 

私の話をすれば、インコに人間の言葉を教えるのは・・・まったく興味がない。

セキセイやオカメと暮らした時も、一切、言葉は教えなかった。

上記でお話ししたように、鳥は人間の言葉を理解できないはず。

私の心情として虚しいというか、教えるという行為が鳥を否定している気分になる。

私の勝手な感情ね、他人様は関係ないし、知らない。

 

その思いを一層強くしたのが、ちゅらの存在。

 

亡くなったアキクサインコのちゅらはオス。

アキクサインコは言葉を覚えにくいと言われているけど、簡単なあいさつや名前くらいは普通に覚える。

そんなちゅらが、自ら覚えたのは文鳥のシルバの鳴き声。

いつのまにか文鳥独特の求愛鳴きを完コピしてしまった。

私的にはそっくり!?だったけど、文鳥のシルバは無視。

でたらめな中国語風のしゃべりをする芸人の感じかな。

 

初めて聞いた時、微笑ましいというか、可愛いと思ったし、ユーチューブにアップした。

飼い主として単純に楽しんでいた。

 

ところが、同種のチャチャを迎えた途端、ちゅらは文鳥鳴きを止めた。

それはちゅらが亡くなるまでずっと続いた。

 

2羽のオスとメスはアキクサ語をしゃべりながら、毎日、毎日、過ごした。

単独飼いの時は、小さくピヨピヨ鳴き、たまに文鳥鳴きをするのが日常だったちゅら。

チャチャを迎えてから大きな呼び鳴きをし、様々なバリエーションで鳴いた。

文鳥鳴きを喜び、微笑ましく思っていた自分を恥ずかしいと感じ、酷く後悔した。

 

ちゅらは何故、文鳥の鳴き真似をしていたのだろうか

さびしかったから?

暇だったから?

なんとなく?

 

当人にしか分からないけど、一つ言えることは・・・そういう環境下にいたからということ。

言葉が通じる本当の仲間はいない。

オスのインコは多弁で、ものまねの出来る種類も多い。

だから自然と側に居た文鳥の鳴き真似をした。

 

もう一つ言えることは

本当の仲間(チャチャ)が居れば、鳴き真似なんかしないということ。

 

あくまでも当家での話です。

文鳥鳴きは勝手に覚えたので、同種多頭飼いであっても、人間が教えれば人間語を覚えるかもしれない。

問題はそこではなく囲われの飼い鳥が・・・それでも少しでも幸せである為には?

 

ちゅらが亡くなるまでの1年。

チャチャはいつも側に居た。

 

 

1歳年下のチャチャ(メス)はちゅら(オス)が大好きで、人間用語で言えば恋をしていたと思う。

ちゅらは無口で大人しいアキクサインコ・・・でもチャチャが来てから様子が激変。

大きな声で呼び鳴きをし、2羽で走り回り、そういう姿を見ていると良かったと心底思った。

「アキクサインコって騒がしい鳥なんだ」って思った。

ちゅらが亡くなる瞬間も側に居たチャチャ。

亡くなった後、優しく何度も何度もちゅらをカジカジしていたチャチャ。

ちゅらを助けてあげられなかったのは私の責任。

その時も後悔し、チャチャに詫びた。

 

鳥飼復帰をして6年

 

もっとも心に残る印象的なシーンは

ちゅらがポンピングをしつつチャチャを引き連れて走る姿。

人間から見ても絶対、楽しいだろ、弾んでるねというのが分かる。

 

もう1つは文鳥のシルバが先住の白文鳥のサスケに怒られている姿。

まだ雛換羽も終わってない状態だったけど、文鳥のシルバ(オス)は白文鳥のサスケ(メス)が気になって仕方ない。

そ~っと側に行くのだけど・・・サスケに威嚇され怒られた 笑

しょんぼりするシルバを忘れることが出来ない。

 

私との思い出より、鳥同士のやり取りを強く記憶しています。

 

所詮、愛玩動物なので多頭飼いをするかしないか、飼い主の判断です。

飼い主には飼い主の事情があります。

金銭的なこと、環境的なこと・・・

同種多頭飼いを行えば、雛が産まれ大家族になる可能性もあります。

 

だから、単独飼いが悪いとは思いません。

ヨーロッパ(ドイツ)では単独飼いは悪ですが・・・

 

しかし、もし、多頭飼いができる状態ならば、多頭飼いをお勧めします。

できれば、鳥同士言葉の通じる同種多頭飼い。

ペットショップには所謂、売れ残りの個体も多い。

中には手乗りや手乗り崩れの個体もいます。

選別することが良いとは思わないけど、若鳥ならば雌雄の判断が出来る場合も多い。

そういう個体を迎えれば、繁殖を避けることはできる。

もちろん、良い関係を築けない可能性はあるけど。

 

ちなみに、現在の当家のアキクサインコのチャチャとハルはメス同士。

(向かって左がハル3歳5か月、右がチャチャ4歳6か月↓)

 

 

べたべたはしないし、別々の場所にいることも多い。

一見、ドライな関係に見えるけど、生存確認の呼び鳴きは頻繁に行う。

鞘当てのような軽い突き合いもたまにするけど、怪我をする訳では無い。

朝一の放鳥は必ず2羽一緒でキッチンへ走っていって内緒話をしている。 笑

チャチャに危機が迫るとハルは激怒し全力で助ける。

夜は一緒のカゴで寝ているというか寝かせているけど問題はない。

結局、お互いがお互いを必要として、深いところでは強く繋がっている。

だって、本当の仲間だから。。。

 

当家はたった2羽だけど、同種多頭飼いには、単独飼いでは見ることのできない仲間との関係性や輝きを見ることが出来ます。

それもあって、私は放鳥時、鳥たちを無視というか、構わず自由にしてもらっているのです。

こんな記事を書いていると、チャチャとハルが私の足元にやってきました。

2羽とも近い場所で何かしゃべっている。

会話内容が分かれば良いのだけど・・・・

 

また多くの鳥飼さんを敵に回す記事だけど、同種多頭飼いをされている方は分かってくれるハズ。

コミュニケーションの取れる仲間って、人間、鳥に係わらず、すごく重要な存在なのです。

 

 

おわり