ー翌日、午後ー
白井と御坂は高畠の病室に向かっていた。
結局御坂に病室の前までついてきてもらったのだ。高畠の病室についたが、なぜかプレートに【高畠望】の名はなかった。
そこで近くにいる看護婦に尋ねた。
白井「あの、ここの病室の高畠望さんはいかがしたのでしょうか?」
看護婦「ああ、高畠さんなら午前中に退院なされましたよ?」
白井「えっ?」
看護婦「もう大分身体がよくなりましてね。もう明日から学校にも行けるそうですよ?」
白井「そうですの、ありがとうございました。」
看護婦「いえいえ。」
ー高畠の部屋の前ー
白井「望さーん!いらっしゃいますの?」
シーン。部屋の中から応答はない。
白井「ちょっと中に入りますか。」
ジャラッ
御坂「あんた、合い鍵なんて持ってたのね…」
白井「ええ、まあ。」
ガチャッ
中に入ったが、まだ帰宅してないのか、誰もいなかった。
御坂「まだ帰ってないみたいね。明日出直しましょ?」
白井「そうですわね…。」
そうして引き返そうとしたら、ちょうど上条・絹旗・土御門が帰宅してきた。
上条「おう!おまえ等!」
絹旗「超こんにちわ。」
土御門「うーっす。なにしてるだ?」
白井「今日望さんが、退院したらしくて、尋ねてきたんですわ。」
上条「そうらしいな、さっき俺らも行ってきたんだけど、退院したって言われたよ。ま、でも明日学校にはこれるらしいな。」
白井「ええ…なので望さんの学校でのサポートよろしくお願いします。」
土御門「まかしておくにゃー」
白井「ええ、では。」
御坂「じゃねー。」
上条「うーっす。」
そうしてそれぞれは帰路についた。
ー翌日ー
白井と御坂は高畠の寮にきた。
だが、高畠の部屋の前に上条・土御門・絹旗がいた。
上条「おーい!高畠!中にいるなら返事しろ!」
土御門「いるなら返事してくれにゃー!」
絹旗「いっそ、私の能力で超破壊でも。」
上条「いや、最愛、それはダメだから。」
白井「どうしたんですの?」
御坂「なんかあったの?」
上条「いや、実はさ、高畠の奴今日学校来なかったんだよ、しかも無断欠席。おまけにケータイも繋がらねえ。」
白井「!今鍵開けますの!」
ガチャッ
部屋に入った一同は驚愕した。
なんと壁にはおびただしい数の写真が綺麗に貼られていたのだ。
絹旗「これって…。」
上条「全部あいつが学園都市で出会った人と撮った写真だな…。」
白井「なぜ、こんなことを…?」
土御門「思い出はこの場所に置いていくってことかもな。」
御坂「え、そ、それって。」
上条「なあ、白井なにかあったのか?俺らでよければ話してくれないか?」
ー上条の部屋ー
インデックス「みんないらっしゃいなんだよ!とうま、なにかおやつ。」
上条「お前はさっきケーキ食ったろ!」
上条「ま、まぁ、話を戻して、白井。なにかあったのか?」
白井「ええ、実は4日前───」
上条「なるほど、そんなことが、でもそれだけでこんなになるものか?」
土御門「もしかしたら、何か過去に抱えてるものとかがあるんじゃないかにゃー?白井ちゃん。思い当たる節はないかにゃー?」
白井「あの方は、子供の頃に親に捨てられたら人なんですの。」
「「「「───!」」」」
絹旗「白井。」
絹旗が白井に真剣な目を向けた。
白井「なんですの?」
絹旗「今から私の言うことを何も言わずに超聞いてください。」
白井「わかりましたわ。」
絹旗「私もこの学園都市に親に捨てられたんです。」
絹旗「だから、高畠さんと超同じ過去を持つ私が彼の今の心情と、これから出る可能性のある行動を推測します。」
絹旗「いつ彼が心を白井に開いたかはわかりませんが、少なくとも、高畠さんは白井と付き合い始めた時には心を開いていたはずです。ですので、あなた方が付き合い始めた時から白井が高畠さんの病室を飛び出すまで高畠さんが白井との生活に対して感じていた感情は《過去の傷を乗り越えて得た幸福感》、《一緒にいて楽しい》、《いつも支えてくれることへの感謝》で一杯だったと超思います。」
絹旗「私も今当麻に対してそれらの感情を超持ってます。だから、それは間違いないと思います。」
絹旗「だが、白井は衝動的とはいえ、高畠さんから遠ざかった。それにより、彼は心の支えを失いました。その上白井は3日も高畠さんに会っていない。そして高畠さんは《捨てられた》と思ったでしょう。そこで彼が今感じている可能性がある感情は《もう二度と捨てられるということは体験したくないから、もう誰とも関わらない》、《自分はやはり家族を持つのは許されない人間だ。だって相手を傷つけるだけだから。》、《自分は最低な人間だ、大切な家族を傷つけてしまった。もともと自分に家族を持つ資格はない。》という感じですね。」
白井「そ、んな…」
絹旗「そして写真のことも考慮して、彼が起こす可能性のある行動は、《感情を失い、1人で生きていこうとする。》《もう誰とも関わらないように生きていこうとする。》《闇の世界に堕ちていく。》それと…。」
白井「それと…?」
絹旗「《自らの命を絶つ》かです。」
白井「そんな!」
土御門「現実問題として、こっちに恨みを持つってことは?」
絹旗「彼の性格を考慮すると、それは超有り得ないかと。」
上条「そうだな。」
御坂「となると、今私達のすべきことは。」
上条「高畠の捜索だな。」
白井「一刻も早く望さんを見つけなくては!」
土御門「んじゃ、明日から捜索を開始だにゃー。」
こうして一同は解散した。
ーその夜ー
とあるストリートの階段に高畠は降りしきる雨の中座っていた。
打ち止め「わぁー!雨だってミサカはミサカははしゃいでみる!」
一方通行「転ぶぞォ。」
打ち止め「ん?あそこに傘も差さずにずぶ濡れの忍者さんがいるよってミサカはミサカはびっくりしてみる!」
一方通行「あァ?忍者ァ?あ、マジだ。」
一方通行と打ち止めは高畠に近付く。
一方通行「おィ!お前大丈夫かァ?」
高畠「…、俺?」
一方通行「オメェ以外に誰がいるんだよ!?」
高畠「あっ、あなた、学園都市第一位の…。どうも上条の友達です。」
一方通行「あァ?お前三下のこと知ってんのかァ?」
高畠「ええ。」
打ち止め「わぁー!すごい偶然ってミサカはミサカは身体でアピールしてみる!」
一方通行「なら、俺の友達も同然ダァ。家に来いよ。雨に塗れてちゃ風邪ひくぜェ?」
高畠「え、いや。」
一方通行「遠慮すんな、行くぞォ。」
そうして高畠は一方通行の家に行くことになった。
ーとある教員の家ー
打ち止め「只今~ってミサカはミサカは元気に挨拶してみる!」
芳川「あら、お帰りなさい。」
一方通行「客だァ、入れていいか?」
芳川「お客さん?いいわよ。」
一方通行「ん?黄泉川はどうした?」
芳川「ああ、仕事だって。」
一方通行「そうか、高畠あがれや。」
高畠「おじゃまします…。」
芳川「あらやだ!ずぶ濡れじゃない!シャワー浴びてらっしゃい!」
一方通行「言われなくてもそおさせてやるつもりだァ。おい、風呂入ってこい。」
高畠「あ、ああ、悪いな。」
その後高畠は一方通行達の家に泊まっていった。
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