彦根藩主・井伊直弼がこよなく愛した菓舗“いと重“の「益壽糖」を購入しました。





 “益壽“は漢籍にある“延年益壽“に由来するもので、長寿を願うとの意味です。「益壽糖」と同名の菓子は、京都の“八ツ橋本舗“や“かぎや政秋“にもあります。


 彦根“いと重“の「益壽糖」は、彦根城を描いた包み紙に収まっています。さらに箱を覆う巻紙には城下の橋のたもとに立つ男女が描かれています。





 ここに描かれた侍風の人物が、女装をしたいかにも異様な風態の男性で、眺めながらしばらくその意味を考えました。


 思いついた結論は大河ドラマ「花の生涯」で描かれた井伊直弼と村山たかの二人と想像しました。“埋もれ木“と称した若い頃の直弼です。「益壽糖」のほのかな甘さを想像させるには適任です。


 添え書きを熟読しましたがそのような説明は見当たらず、あくまで個人的な想像です。





 「益壽糖」は求肥にたっぷり阿波産の和三盆がまぶされた飾り気のない姿をしています。もっちりとした噛みごたえと、和三盆の上品な甘味は筆舌に尽くせない美味しさです。





 もう一個食べたくなる衝動をやっと抑えることができました。明日から数日楽しむことができます。