鮎菓子


 学生時代、岐阜・長良川河畔の旅館で、布団上げのアルバイトをしました。日本の景気が良くなってきた時代で、夏場には鵜飼見物の団体客が押し寄せ、忙しい思いをした記憶があります。


 夕刻に長良橋の上から、鵜舟や遊覧船が漕ぎ出す様子を見ては、将来自分も鵜飼見物をしたいと思ったことでした。


 岐阜の鮎菓子は、当時から鵜飼観光の土産物として人気がありました。帰郷の際にみやげにしようと思ったこともありましたが、貧乏学生にはかなり贅沢品で手が出なかったのでした。


 結局、最近まで鵜飼も鮎菓子にも無縁で過ごしてきました。和菓子に興味を持つようになって、鮎菓子が夏の定番と知りました。


 鮎の姿が可愛く表現され、カステラと求肥の組み合わせが餡とは違った風味を醸し出す、楽しい和菓子と思いました。


 そろそろ鮎のシーズンは終わりますが、鮎菓子をいただきます。昔のことなどいろいろ思い出しながら・・・