京観世
鶴屋吉信の「京観世」を語る時、俵屋吉富の「雲龍」を避けて通ることができません。
どちらも餡を村雨で巻いた和菓子で、「京観世」は円形、「雲龍」は一部に凹みのあるゆるいハート形です。
「京観世」は能の観世流に関わる神社の井戸に、飛び込んだ龍により作られた波紋に由来するのに対し、「雲龍」は相国寺の天井に描かれた雲龍図を模したものと言われています。
「雲龍」が「京観世」より先んじて作られたようですが、ご近所同士の吉富と吉信の間で揉めたのでないかと気になります。
私はいずれのお菓子も食べたことはありますが、場所も時期も異なるので両者の微妙な違いは説明できません。
今回は「京観世」でしたが、ほろほろとした餡の食感と、しっかりした甘味に満足いたしました。