ミステリータッチに始まった物語は、途中でラブストーリーに変化し、なーんだと気を抜きかけたところでしっぺ返しを食らわす。映画としては一級品。だけど後味は…苦いったらないです。

初老の凄腕競売人であるオールドマンは、生身の人間とは交わろうとせず、立場を利用して破格の値段で美術品を落札し、コレクションすることに生涯をかけてきた。その彼のもとに、ある女性から両親の残した屋敷を鑑定してほしいとの依頼が舞い込む。だがその依頼人は一向に姿を見せようとせず…。

随所に伏線は張ってあり、このまますんなり終わらない感はずっと漂っていましたが、こんなおじいちゃんにまさかの仕打ち…。確かに汚い手を使って集めたものだけども。いやそれよりも、今まで彼が人を寄せ付けなかったのもそれなりのことがあってのことだろうし、やっと人生の終盤になって掴んだと思った温もりを、あんな風に木っ端微塵にしなくてもいいだろう。そこまでの悪事を働いているとは思いがたいし、多分に逆怨み的ではないか。本当に才能があったら、彼でなくても誰かが見つけてくれるはずだろう。
だが、それでも誰も愛さないよりはいいのだろうか。彼はほんの僅かでもそう思って人生の幕を閉じられるだろうか。

人生は不条理だ。でも、こんな結末はやっぱり嫌だ。

総合評価:★★★☆☆