
歳をとると、だんだん血の巡りが悪くなってくる。
なかなか覚えられない
さっきのことをもう忘れている。
集中力がなくなる
すぐに別のことが頭にうかんで、
今何をしなければならないかを忘れてしまう。
だんだん現実が軽くなっていくような気がする。
子供の頃、年寄りがお寺参りに行くのが不思議であった。
現実と非現実との間を行ったり来たりしているのが人の生活
なのだと、意識したのはいつ頃か忘れたけれど
今では観念的に現実的な生活を求めている。
肉体を使う仕事をしていないと不安な気にさえなるのです。
<夢見るゴキブリ>
昔々、自分がゴキブリである夢を見たグレゴール・ザムザという名の
外交員をめぐって書いている作家である夢を見たフランツ・カフカという
名のゴキブリである夢を見たグレゴール・ザムザという名の
ゴキブリがいました。
アウグスト・モンテローソ 安藤哲行訳