暫く家の工事の為部屋から追い出されていました。今日ようやくパソコンの線を繋ぎ直しました。というわけでまたまたたまたま見つけたブラームスのヴァイオリンとチェロのためのダブルコンチェルトのライブ映像。
 ヴァイオリンは庄司紗矢香さん。相変わらず繊細かつ切れ味鋭い演奏です。指揮者の方共々、この曲の重厚なイメージをあえてくつがえそうとする、明晰さとスピード感に溢れた一種挑戦的な演奏です。(これはブラームスではない、とご不満の向きもあろうかとは思いますが、そういう人たちにはそういう人たち向きの演奏がいくらでもあるでしょう。)チェロの綺麗なお姉さんは初めてお見かけする方ですが、そうしたコンセプトにぴったりはまった演奏を聞かせてくれます。
 バイオリンとチェロをこれほどまでに絡み合わせて聞かせる演奏は珍しいのではないでしょうか。今まで聞こえてこなかったメロディが次々と鳴ってきて、まるで初めて聞く曲のようです。
 私の好きな演奏というのは、このように、何度も聞いた曲を初めて聞くような気にさせてくれる演奏です。ブラームスのダブルコンチェルトなんてもう聞き飽きた、なんて言っているあなた。是非この演奏を聞いてみてください。
http://www.youtube.com/watch?v=f8RDUCxe2uM
(取りあえず第三楽章を貼りましたが、聞き所満載の第一楽章と第二楽章も貼っておきます。ヴァイオリンとチェロの絡み合いにとろけてしまいます。)
https://www.youtube.com/watch?v=CzeCt1Pd8RY
https://www.youtube.com/watch?v=v4jdw5abPNc
 無理して飲んじゃいけないと...紅白を見ない私でももうこの歌が聞けなくなくかと思うと一抹の寂しさを禁じ得ません。1981年ですか...昭和は遠くなりにけり。それにしてもこの人この曲以外にヒット曲ってあったのかなぁ?噂を聞けば会いたくて...なんてことはともかく、この曲が不朽の名曲であることには違いありません。この昭和ならではの歌詞は胸に沁みます。(何十年経っても不思議と忘れません。)そしてこの昭和ならではの演歌のメロディ。あの人どうしているかしら?彼女も今思い出酒に浸っているところなのでしょうか?
http://www.youtube.com/watch?v=df0uSADAv9U&feature=related
 死者の魂を鎮めるということは実は死者を完全に殺してしまうことではないのか?死者を自分の中から消してしまわないこと。死者に敬意を払うということが死者を自分の中で死なせてしまわないことであるならば、あるべき鎮魂の姿はケーゲルによるこのようなレクイエムかもしれません。癒しではなく決して消し去ることの出来ないトラウマを自分の心に刻み込むこと。トラウマになりそうな演奏です。眠りかけていた死者を叩き起こすような荒ぶるレクイエム。これを鳴らすとケーゲルの魂もびっくりして目を覚ますのかもしれません。
http://www.youtube.com/watch?v=I17f73txBHE
 これまたシェルヘンらしいバッハのブランデンブルグ協奏曲第4番の演奏です。各パートがよく聞こえてきますが、そのバランス感覚がちょっとズレてんじゃないか、と思うくらい新鮮で、各楽器の音色の際立て方といい現代音楽を聴いているようです。まぁ偉大な芸術家というものはフツウの感覚からはズレた人になっちゃうんでしょうが、そのズレ方がさすがとしか言いようのないくらい絶妙にズレているのか、どうしようもないくらいいっちゃってるのか、そこらへんの差は紙一重なんでしょうね。
http://www.youtube.com/watch?v=DHCo-d6pMYI
 即物的で明晰で強靭でしかも美しい。ヘンデルやバッハを振るシェルヘンには、いつものクレージーなイメージとは違った彼本来の理知的な美学が表れているような気がします。やっぱりこれが彼本来の姿なんでしょうね。ベートーベン以降の作曲家を振ると何故かエキサイトして無茶苦茶になっちゃうんだよね。まぁそこが憎めないとこですが。でも彼が本来理想とする演奏はこんな感じだったんではないでしょうか。
http://www.youtube.com/watch?v=2XudkOLfBUQ&feature=related
 昨夜はBSでルルを見ました。音楽的にはともかく演出は全く期待はずれでした。ラストシーンでは切り裂きジャックがルルを文字通り刺し殺すわけですが、昨日の演出ではルルにガソリンをふりかけライターで火をつけようとします。そしてその瞬間ジャックからライターを奪い取ったルルは自分で点火し、あたり一体が燃え上がります。この演出家はワグナーの神々の黄昏を連想させようとでもしたんでしょうか?ベルクのこの未完のオペラの今回のプロダクションは新ベルリンバージョンという新たな補填版ということが売りのようですが、インパクトも説得力もないさえないバージョンでした。新演出でも読み替えでも、それによって原作に活力を与えたり、また原作を超えるものが出来たりすることは当然あるでしょう。私もどっちかというと奇抜な演出を楽しみにするタイプだと自分では思っていますが、昨日の演出は期待はずれでした。
 youtubeに奇才(変態)ビエイト演出のルルラストシーンがありました。過剰なまでに残酷に切り裂かれるエンディングです。そして(お決まりではありますが)過剰なまでの裸体の露出です。でも、昨日のしょーもない演出に比べるとこっちの方がよっぽどインパクトがあるし原作の持つ一面をえぐり出している気がします。
https://www.youtube.com/watch?v=tUn6mMxMnek&feature=relmfu
 今日のBSプレミアムシアターでは『ルル』が見えます。楽しみです。というわけで予習の意味も込めてルル組曲でも聞いておきましょうか。2011年、ブーレーズ、ウィーンフィルのライブ映像がありました。それにしても見た目ブーレーズも一気に老け込んだ気がします。(ちょとヤバイ感じ。)演奏はとても丁寧で、クールと言えばクールなんでしょうが妙に色っぽくもあります。ベルクのエロティックな部分がこんなに感じられる演奏もそんなにないんじゃないかという。晩年の境地ってやつでしょうか。〔失礼。長生きしてください。)
http://www.youtube.com/watch?v=U54YSEW-rK0