今年はドビュッシー生誕150年でもあるらしいです。というわけでちょっと変ったドビュッシーをということでティーレマンのがありました。全然ドビュッシーのイメージがないので逆に聞いて見たいというわくわく感があります。何を振ってもワグナーに聞こえるというティーレマンがどんなワグナー風ドビュッシーを聞かせてくれるのか。
 期待通りの重々しさです。かなりユニークというか聞いた事のないようなドビュッシーが新鮮です。保守本流ドイツ正統派巨匠を見事に演じきった演奏です。本当面白い。一聴の価値ありです。
http://www.youtube.com/watch?v=lgbsPCuC-ko&feature=related
 ユジャ・ワン、ダニエレ・ガッティというこれまた聞いてみたくなるコンビによるプロコフィエフの人気ピアノ協奏曲、第3番。期待通りのキレキレ演奏です。因みにユジャ・ワンは例によってこれまた気合の入ったミニスカートです。激しい演奏の最中聞いて(見て)入る方は気になってしょうがありませんが、本人はおかまいなしです。ワイルドです。
http://www.youtube.com/watch?v=KDfGBmbNbMw&feature=related
 最近は主にシューマンとブラームスを聞く毎日です。今日もたまたま見つけたヤルヴィ、ブニアティシヴィリのシューマンピアノ協奏曲。是非聞いてみたいと思うようなフレッシュなコンビです。ヤルヴィは何を振っても新鮮な切り口を見せてくれます。抜群の切れ味です。対するブニアティシヴィリも目下売り出し中。勝負服のボディコンでぶいぶい言わせます。なかなか演奏に集中できないくらいの大サービスです。勿論演奏も素晴らしい。今の時代のスタンダードと言っていいんじゃないでしょうか。
https://www.youtube.com/watch?v=3jbHbDena_U&feature=related
 アバド、グリモーによるラフマニノフのピアノ協奏曲第2番。なかなかの演奏で、アバドもいつもより大きなアクションで気持ちよさそうに振っているし、グリモーもにこやかにしているように見えますが、この二人、後にモーツァルトのピアノ協奏曲の録音を巡って衝突し、共演NGの間柄になってしまったとか。彼女が準備していたカデンツァをアバドが気に入らなかったとか、そもそもグリモーの方がアバドとの共演に退屈していたとか色んな噂があるようです。まぁそれ以前にグリモーは超変人伝説に事欠かない人ではありますが。(しかもちょっとひくような。)自分発信のものも多くあるようですが、どこまでが本当かどこまで盛っているのかこれまた判断はつきかねます。奇人変人ピアニストという点ではグールドなんかよりはるかにイッちゃった存在なんじゃないでしょうか。女性演奏家でここまで変人キャラの立った人は始めてのような気がします。その点では先駆者ですね。勿論芸術家として只者ではないピアニストです。
http://www.youtube.com/watch?v=uJRHht55E1M
 グリモー、ギーレンによるブラームスピアノ協奏曲第一番のライブ映像がありました。ゆったりとしたテンポで音と音とがぶつかり軋み合うギーレン独特の音響美学(単に美しいというのとも違ったアグリービューティ的なもの)を堪能できます。美しい外見からは意外な程強靭なグリモーの打鍵も妖しげな音色もギーレンの美学にマッチしています。時々うっとりしたような目つきでギーレンの方を見るグリモーの表情がセクシーでありまたエロティックでもあります。(第2楽章のアダージョではハァハァという彼女の激しい息づかいがもう危ないレベル。)この演奏は本当に凄い。(音源の具合の悪い箇所があるのが残念ですが。)Must seeです。
http://www.youtube.com/watch?v=RIS35tgBoQE
 ギーレンって今何歳なんでしょう?もういつ何が起っても不思議のない年齢であることは間違いありません。たまたま彼のマラ9を見つけました。2010年のライブということです。快速で有名な彼でしたが今ではテンポも往年の巨匠並みに落ちてきました。というか最早堂々たる巨匠としての演奏です。頑張ってもうちょっと生きていればヴァント並に持ち上げられる時が来るかもしれません。頑張れギーレン。
 ギーレンには彼独特の硬質の「響き(音響・音色)」を感じます。(現代音楽的発想から来ているものなのかもしれませんが)彼はオーケストラを一種の音響装置として捉えているかのようです。そういえば何かのインタビューで音色へのこだわりを述べていたようにも思います。(彼の特徴は「ギーレン節」というよりも「ギーレン音」とでも呼ばれるべきものではないでしょうか。)そのことはテンポが落ちても変りません。彼の硬質で引き締まった音響の魅力が満載の演奏です。これであなたもギーレン中毒に...
https://www.youtube.com/watch?v=TOUAno6_VWQ
 シューマンの一番目の交響曲なんて滅多に聞かないというか、今までに聞いたことがあるかどうかも定かではありませんが、何故かシューマンを聞きたい気分だったんでたまたまきいてみたらこれがなかなかです。まぁジンマンの演奏が素晴らしいせいもあるんでしょうが。最初の交響曲ということもあってか気負いこんだシューマンがあれやこれやいろんなことをやってみた、という感じが伝わってきます。あまりにあっちこっち行ってなんか危ない感じもします。これから頭がおかしくなって行った人の作品だ、と思って聞けばそんな風にも聞こえてきます。そんなこんなこみで素晴らしい演奏です。
http://www.youtube.com/watch?v=wLedgGLpTX4
 ピアノ協奏曲に比べて派手さがないせいかあまり耳にすることのないシューマンのヴァイオリン協奏曲です。サラステがスケールがおおきくて、しかもすっきりとした響きを作りその上にこれまた理知的なツィマーマンのバイオリンが乗っていきます。(バッハ無伴奏アンコールおまけつき。)このシューマンの響きは新鮮です。(曲として地味なのはしょうがないけど。)ブラームスとあわせてシューマンもいろいろ聞いてみたくなりました。
http://www.youtube.com/watch?v=YLod6Ra6f08&feature=related
 ここんとこやたらとブラームスが聞きたくなります。今まで聴いた事のなかったギレリスの弾くピアノ協奏曲第一番がありました。迫力も切れ味も余韻もある好い演奏です。ギレリスというと何故かグリーグの叙情小曲集のイメージが強いのですが、意外や意外けっこうバリバリと弾くタイプです。はげしいね、ギレリス君みたいな。旧ソビエト時代彼が西側で演奏し、絶賛された時、インタビューに答えた彼曰く。私なんかたいしたことはない。ソビエトにはもっと凄いピアニストがいる。なんて真偽の程は定かではない逸話を漏れ聞いたことがあります。件のピアニストの名前はリヒテルといったとか。今は昔の話です。
http://www.youtube.com/watch?v=Fc3R7Zu_rvE&feature=related