生き甲斐ってなんだろうね

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ご近所で、いつもすっごく可愛がってもらっていた

中華屋さんのおっちゃん。

２～３年ほど前に奥様が亡くなってから

急に張り合いが無くなってね…

いつも出勤の時、家の前を通ると

おっちゃんが立ってて挨拶をしていたのですけれど

こないだから姿を見なくなったのです。

憶測ではありますが…

だんだんと元氣が無くなって、目がうつろになって

焦点が定まらなくなってきて

受け答えも笑顔も少なくなってきていたので

ご家族と一緒に住むようになったか

施設へ行かれたんだろうなと思うんです。

その昔は酒豪で豪快な人でね

腕一本でご夫婦で店をやってこられて

二人のお子さんを大学まで出して、今では立派に成人されてます。

とっても偏屈でとっつきにくい頑固おやじだから

（見た目ね）

仲の良い人も少なかったようですが、

何故だかわからないけれど

私たち夫婦は、すっごく良くして頂いて

可愛がって頂いてね…

その姿を奥様が後ろの方で、いつもただ笑ってみてらしたの。

だけど、その最愛の奥様が亡くなってから

おっちゃんの元氣がどんどん無くなっていくのが

手に取るようにわかりました。

言葉をかけても、何をしても

私たちでは埋められない…

もどかしい氣持ちで、その姿を見守っていたんです。

ずっと前に、若い頃の話を聞いたことがありました。

けっこうやんちゃをして

女性にも走って

奥様に苦労を掛けたんですって。

でも奥様は

「一言も文句を言わずに、ずっと寄り添ってくれたんや！

わしにとっては神様以上や！

大事にせんならばちが当たるわ。」

って言われた言葉が忘れられません。

「こんなええ奴が、何でこんな病気になったんやろう？

きっとわしが苦労を掛けたからや。だから絶対に治してみせる。

そのためやったら何でもする。」

そんな言葉を何度聞いたことでしょう。

そんな氣持ちも含めて

おっちゃんは奥様に支えられてきたんでしょうね。

それがおっちゃんの生き甲斐になっていたのでしょうね。

生き甲斐　　ってなんでしょう？

人はやはり何らかの生き甲斐を持って

生きているものなのでしょうか？

無くては生きてゆけないほど

とてつもなく大きな生き甲斐だった場合

失った時の喪失感は想像を絶するでしょう。

私の生き甲斐は何だろう？

今は…わからないな。

ただ日々を淡々と生きることも人生。

生き甲斐を持って生きることも人生。

全ては自分で選んできたのでしょうけれど

生きるって奥が深いな。

改めて感じる今日この頃です。

おっちゃんの心が少しでも癒されることを願っています。

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