角田光代さん訳の『源氏物語』を読み始める | to-be-physically-activeのブログ

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2024年1月7日から放送される大石静さんの脚本によるNHK大河ドラマ第63作『光る君へ』は,平安文学の巨匠・紫式部の人生模様を描いた物語です。人物相関図が発表されていますが,複雑な人間関係なので実際にドラマが始まってからゆっくり登場人物のことを勉強したいと思います。当面は,『源氏物語』の現代語訳を通読するのが宿題なので,予定通り河出文庫から巻2まで発行されている角田光代さんの『源氏物語』を読み始めました。「文庫版あとがき」(巻1,pp.291-298)によれば,角田さんに現代語訳の依頼があったのが2013年,実際の執筆開始が2015年,単行本の第1巻が出版されたのが2017年9月と記されていました。ご本人の弁によれば,彼女自身が学生時代に授業で原文での『源氏物語』に接した経験はあっても,その物語に魅せられて通読しようと思ったこともなく,どちらかというと源氏落ちこぼれ組だと自嘲しておられました。今回の現代語訳に取り組もうとした動機は,格調高い王朝文学作品としてではなく,私も含めて世間一般に“源氏落ちこぼれ組”が,ワーッと読めるような現代版の小説としてカジュアルな言葉で語った『源氏物語』にしたいという意図がこめられているそうです。確かにスイスイと読み進めるような文体で綴られているので,あっというまに「帚木」まで読み終わりました。もっとも人物相関をノートに記録しておかないと,すぐに迷子になりそうな小説なので「空蝉」あたりからは,少しゆっくりと味読しようと思います。それにしても平安時代の貴族たちの性的放縦には呆れます。性的描写こそ省略されてはいますが,「見る」=「セックス」を意味する時代の恋愛絵巻を想像力を働かせながら読み込もうと思います。