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9/8・9/9・9/10 安房鴨川にて・・・(8)

【9/10 3:55 上総一ノ宮駅】
電光掲示板に灯が灯る。


ああ、、、電車動くんだ、、、帰れるんだ、、、

改めて3人で喜びました。
先生は「YES!」って言ってる。

こういう場面での外人さんの「YES!」を生で聞いたのは初めてだ!


改札で青春18きっぷの5つ目のスタンプを押してもらう。

この日が夏シーズンの利用最終日でした。

午前4時40分頃。
車内に入り座席に座る。


ああ~本当に帰れるんだ・・・

 

いやいや、まだ台風15号は許してはくれませんでした。

アナウンスでは点検車両が千葉からこちらに走ってて、折り返して千葉に戻るまで発車は出来ないと。
何時に発車するかもわからないと。

 

電車が動き出したのは午前7時頃。

結局、駅に着いてから約3時間後の出発でした。

 


運行再開1本目だから途中駅での客数が半端なく。
車内も駅のホームも尋常じゃない人人人でした。

それでも所々停止しながらも電車は進んでいく。
通常40分程度がその倍は掛かって蘇我駅に到着。

午前8時38分

 

安房鴨川駅をタクシーで出発してから6時間。

ようやく南房総からの脱出に成功した瞬間でした!

 

 

蘇我駅はもの凄く混雑していて。

脱出仲間の2人とはぐれてしまいました。

ちゃんとお別れ出来ず、とても残念で残念で。。。

 

 

ここで会社に今日は休むとの電話を掛ける。

ヘタなウソついても仕方ないのでありのまま帰宅困難になったと報告。

 

 

そして海浜幕張の駅で武蔵野線に乗り換え。

武蔵野線に乗ったら、眠気と空腹と疲労が一気に襲ってきた。

安心したんだろうね、オレ。

 

新松戸駅でまた乗り換え。

 

ついに、

ついに、

ついに、

地元駅に到着!

 

9/8の7時30分に出発してから約50時間。

脱出を決断してから9時間。

帰ってきた・・・・・やっと・・・・・

 

9/10の午前11時のことでした。

 

 

 

9/8から9/10までの2日半。

本当に色々な事がありました。

 

ホテルで大規模雨漏りと停電。

陸の孤島からの脱出。

 

しなくてもいい経験だったけど貴重な経験でもありました。

 

あの大震災の時に得た経験や記憶は薄れ、災害に対する備えが疎かになっている事に気づきました。

今回のように旅行先で遭遇したらお手上げですが、せめて自宅には十分な備えをしたいと思います。

 

ランタンは電池式で、生産量の多い単三電池で稼動するものを購入しました。

多機能の防災ラジオも買いました。

あと非常食を厳選しながら揃え始めてます。

携帯用に小型のLEDライトも買いました。

 

 

この2日半。

上手くいかなかった事や上手くいった事がたくさんありました。

その中で特に後悔した事が3つあります。

 

 

一つ目は安房鴨川駅からの脱出の時のこと。

あそこには行く当てのない旅行者が何人もいました。

 

タクシーで脱出する時にその人達にお節介でも「こういう方法で移動するよ」

と伝えるべきだったのではと思ったのは帰宅してから。

もしかしたら脱出のアイデアを提供出来たのかもしれなかったと後悔しました。

 

特にあの中国人と思われる家族と、ずっとベンチにいた若い女性2人組がどうなったか今でも気になってます。

無事早く帰れたのでしょうか。。。

 

 

2つ目は蘇我駅でのこと。

あまりの混雑でパーティを組んだお二人とちゃんとお別れが出来なかった事が悔やんでも悔やみきれません。

握手をしてお別れしたかった・・・

あの感動を共有した仲間でした。

 

「ご一緒したこの6時間の事は忘れません!ありがとうございました。お元気で!」

 

 

3つ目は根本の話です。

台風が直撃するが分かってて旅行を中止する決断が出来なかった自分自身への後悔。

 

キャンセルしても戻ってこない交通・宿泊費の15000円が惜しかったのは事実です。

でもそれ以上に中止したくなかったのはこの千葉県一周旅行が何ヶ月も前から楽しみで仕方なかったから・・・

 

甘いと言えば甘い判断でした。でも行きたかったから行ってしまった。

 

地震と違って台風は予測が立ちます。

次に同様な判断を求められたら今回の経験を活かしたいと思います。

 

 

千葉県一周どころか半周も出来なかった今回の旅行。

館山駅・五井駅・光風台駅でやりたい事あったんです。

 

必ずリベンジします!

 
その時は上総一ノ宮駅にも寄ります。
安房鴨川駅周辺のお世話になった施設やお店にも行きたいと思います。
 
あっ、あの太海の雨漏りのSホテルには絶対行かないよ(笑)
 
来年の暖かくなった頃・・・
いや、やっぱり今回と同じ季節の夏かな。
また青春18きっぷを買って、同じように銚子から回って行きたいと思います。
 
ワクワクする!
今からもう楽しみだ!
 
 
 
8本もブログを書いてしまいました。
読んで頂きありがとうございました。
(完)

9/8・9/9・9/10 安房鴨川にて・・・(7)

【9/10 1:30頃 安房鴨川駅・西口・ロータリー】
ふと、何気に、京成バスのHPを開いて見た。

えっ!!!
ウソだろ!!!
なんで!!!


0時に更新されてる。
今日の始発から再開予定が13:00までの便は欠航に。
さらに、それ以降も未定と書いてある!

(ここに書いてあるのは欠航の便)

 


あああああああああああああああ
またまたまたまたまた誤算、、、

しばらく茫然自失でした。


・・
・・・
・・・・
・・・・・

少し、いやかなり落ち込んだ。
でも考えた。


昨日からバスを待つという受身でいい結果は出なかった。
受身じゃダメだ。

もうここに1秒も居たくない!
少しでもいいから前に進みたい!

もっと積極的攻めないと・・・


よし、自らの行動でこの状況を打開する!

そう決めたら闘志が湧いてきた。
何が何でも帰ってやる!


道路交通情報を見る。
依然として南房総の自動車道は通行不可状態。

即、今日の再開はないと判断して高速バスの選択は捨てた!
(実際、高速バスの再開は4日後でした)


じゃあどうするか。
情報ではJRの内房線・外房線が一部再開するらしい。

千葉~上総一ノ宮
千葉~姉ヶ崎
が再開予定。

つまり、どうにかして上総一ノ宮駅か姉ヶ崎駅に着ければ道は開けるってことか!

検索すると安房鴨川駅からの距離は何とほぼ同じの約53km。
タクシー代も一緒と出た。

どっちにするか?
特に理由がないけど上総一ノ宮駅に目標を決めた。
(後でこの選択は大正解だったと知ります)

 


検索したタクシー代は20440円。
払えなくも無いけど高い。
3人で割ったら6800円くらいか。
これだ。これしかない!

タクシーで安房鴨川を脱出する!

よし、仲間を集めよう・・・

まず右隣のベンチに居る年配の男性に声を掛ける。

・電車は復旧の見通しが立ってない。
・高速バスは今日の午前中は運休でそれ以降は未定。
・私は少なくとも今日の高速バスの再開は無いと思ってる。
・上総一ノ宮駅までタクシーで行けば電車で千葉方向に行けそう。
・タクシー代は3人で乗れば1人6800円くらい

の説明をしたら二つ返事でこの案に乗ってくれました。
この男性は元鴨川住民でお祭りの為帰ってきててこの状況に巻き込まれたそうで。


次に左のベンチに座る外国人女性に声を掛ける。
日本語通じるかな?と思ったけど、会話は何の問題もなく。
なるべくさっきの説明をゆっくり丁寧に説明してこちらも了承してもらった。

この外国人女性は実はあの雨漏りホテルの宿泊客の1人でした。
ホテルでは話さなかったけど、駅の待合室でもこのロータリーでも見かけて心配してました。

さらに話を聞くと、長野で英語教師をしているそうで。

観光で着ていて、授業があるので何としても今日の午後には長野に帰りたいと。

こうして午前2時、3人のパーティが結成!
目指すは上総一ノ宮駅!


【9/10 2:00頃 安房鴨川駅前・国道128号】
3人パーティは結成したけど、ロータリーで待っててもタクシーなんか捕まりません。
歩いて数分の片側2車線の国道128号に移動。

 

常に積極的行動を意識!

が、車は多少通過するもタクシーは1台も通過せず。

でも諦めるワケにはいかない。
昨日の夕方の大渋滞を見て、朝の渋滞が起こる前に何としても暗い内に移動したかった。

待つこと30分。

交差点の赤信号に止まったのは・・・タクシーだ!
左ウインカーを出してる!
こっち来る!
青信号で左折してこっちキタ!

が、見えたのは”回送”の電光掲示板。
一瞬落胆するも車道ギリギリまで出て両手を大きく振る。何度も振る。
少し通り過ぎたけど止まってくれた!

後部ドアが開く。
運転手「もう・・・」

あっ、その次の言葉を言わしちゃダメだ!

 

「お願いします!乗せて下さい!助けて下さい!」
「上総一ノ宮まで行きたいんです!どうかお願いします!」


もう必死の拝み倒しのお願いです。
これを逃したら次は無いと思って。

運転手「・・・わかりました。お乗り下さい」

やった!ついにやった!
3人は手を取り合って喜んだ!

午前2時30分頃の事でした。


この運転手さんは蘇我駅まで客を乗せて帰ってきた所だったそうで。
”回送”は自分の営業エリアまで客は乗せられないからしてたと。
会社の規則では午前2時で終わりだけど、会社に連絡して乗せてくれました。

姉ヶ崎に行かなかったのは正解だと言われました。
今蘇我まで行って来たけど県中央部は倒木で迂回を余儀なくされてると。

車窓から見た限りは停電してるエリアと無事のエリアが交互にある感じで。
でも道路自体は問題ない状態でした。


そして、
乗車時間約60分
料金18600円
1人当り6200円

 

午前3時36分、上総一ノ宮駅に到着!

 

タクシーの運転者さんに感謝。
2人の仲間に感謝。

ようやく前に進めた・・・
この時の感動、恐らく一生覚えてると思います。

(次でラスト、もう一山)

9/8・9/9・9/10 安房鴨川にて・・・(6)

【9/9 19:00頃 安房鴨川駅・東口・待合室】
待合室にはまさに老若男女の人が居る。
半分は外国人。
皆待つしかないという表情をしてる。

日が落ちた後は冷房が効き過ぎて寒い。
上着が欲しい。
目を閉じても眠れない。


夜になって京成バスのHPを確認する。
明日の始発から高速バスの運行を再開すると書いてある。

希望だ!


これからのプランはこう。

この待合室が閉鎖される22時頃までここに居る。
  ↓
マックに移動して閉店の23時まで居る。
  ↓
デニーズに移動して4時頃まで粘る。
  ↓
駅西口のバス乗り場に移動して5時40分の始発を待つ。
(絶対乗りたいから早めに並ぶ)

あと10時間だ!10時間経てば帰れる!


20:00頃。

気づくとモバイルバッテリーの残量が1/3になってる。
これは充電しないと。

調べるとマックにコンセント付の席があるみたい。
予定より早いけどマックに移動した。

が!
電気が消えてる!
閉まってる!

本日は台風の影響の為19時に閉店したと書いてある。

ああ、、、また誤算、、、


仕方ないので大分早いけどデニーズへ移動。
少し待ったけど入店出来た。

でも、、、店内の様子がおかしい。

空席があるのに客の席への案内を制限してる。
しばらくすると明らかに入店を断っている。

実は店の前まで来てた時に看板の電灯が消えていて変だなと思ってた。

・・・これはもしかして。
店員に聞いてみる。

すると案の定、台風の影響で本日は24時で閉店すると。

ああああ、、、またまた誤算、、、


トイレも閉鎖されて居づらくなった23時過ぎに店を出る。

もう駅周辺に居られるような店はありません。

当初のプランより5時間は早く駅西口のロータリーに移動した。


【9/9 23:30頃 安房鴨川駅・西口・ロータリー】
バス停にあるベンチに座る。
幸い、同じ境遇と思われる人が何人も居てちょっと安心。

隣のベンチには大きなスーツケースを2個引いた、子連れの恐らく中国人と思われるの若夫婦が座ってる。
駅の待合室でもデニーズでも見かけたな。
奥さんが泣いている。旦那さんが慰めてる。
そりゃ泣くわな。。。

2つ先のベンチに居た老夫婦は地元の人だった。
家が停電で怖いし、熱くて居られないのでこのベンチに来たそうで。

あとは若い女性2人組や男性2人組。
1人ぼっちもちらほら。


すでに40時間近く起きてる。

でもナゼか眠くなく、腹も空かず、疲れも感じてない。


眠くはないけどリュックを枕にベンチに横たわる。
こんな経験初めて。

熱くも寒くも無い。

でも蚊はいっぱい。刺されまくる。
半袖にハーフパンツじゃいい獲物だ。
今度野宿する時は虫除けスプレー準備しないと。


日付が変わるとロータリーの電灯は消え、ほぼ暗闇に。


上を見上げ(ベンチの上に屋根があるので星空は見えないけど)今日一日を振り返る。

誤算の連続だった。
自分の見通しの甘さが宿が取れずこんな状況になってる。

オレはダメだ。。。
(続く)

9/8・9/9・9/10 安房鴨川にて・・・(5)

【9/9 10:00頃 太海駅近郊のSホテル】

 

午前6時半、最も被害の少ない5階の和室が解放されそこで一時休憩。

 

(窓側の畳とカーテンが濡れてるだけ)

 

気温が上昇してるのにエアコンは動かず、強風で窓も開けられない。
暑くて殆ど寝る事は出来なかった。

急遽ホテルが用意した朝食が配られて食べる。
貧相な朝食。。。

午前10時にチェックアウト。
もっと居ても構わないとは言われたけどもうこのホテルに居たくなかった。

「宿泊代は結構でございます。」

 


「結構でございますだと!ふざけるな!それで済むと思ってるのか!台風が原因の雨漏りや停電は天災だから仕方ないが、台風が直撃する事が分かってて老人のスタッフを1人しか残さないとかありえない!その唯一のスタッフが無能で何の役にも立たないとかこのホテルは何を考えてるのか!ラジオもなくて停電の備えも全然足りない!危機管理の”危”の字も出来てないじゃないか!宿泊客の安全を守る気があるのか!その責任をどう取るんだ!ふざけるな!!!」

 


・・・って言いたかったけど呆れて言う気力もなかった・・・

さらばSホテル、もう二度と来ることはない。


ホテルの送迎で安房鴨川駅に向かう。
そこで初めて目にしたのがこの台風の被害の大きさ。

信号はついてなくて、交差点に警官の姿はない。
車は速度を落として慎重に交差点を渡る。

木は倒れ、道路に瓦やブロック壁の破片が散乱。

切れた電線があちらこちらに。

 

街道沿いにあったファッションセンターしまむらは正面の窓ガラスが大きく割れている。
他にも被害を受けてる建物がとても多かった。


【9/9 10:30頃 安房鴨川駅】
奇跡的なのか、何かの対策の成果なのか安房鴨川駅周辺は電気が通ってた。
イオンもマックもデニーズもセブンも営業してる。

風も大分収まり、暑いけど快晴の空。
少し気分も晴れた感じに。


・・・この時は心のどっかでまだ状況を甘く見ていたんでしょうね
・・・本当の苦難はこれからでした


もうとっくに当初の旅程は放棄してて、今はどうやって帰るかが至上命題。

JRは外房線・内房線ともに運休を早々発表。
残るは高速バスのみの状況。

 

(高速バスの時刻表)

 

運行会社の殆どは公式HPで運休を発表したり、何の記載も無かったりで、

”運行予定は未定”と可能性を残してるのは京成バスのみ。

京成バスは1時間ごとに公式HPを更新していてその状況を見つつ、
最悪もう1泊も考慮して宿探しも平行に進めるのが基本スタンスでした。

12:00
13:00
14:00
15:00
16:00

京成バスのHPはずっと”運行は未定”のまま。
ここで改めて道路交通情報を確認すると南房総の高速道全てが全然再開していない。
(この時はあそこまで倒木被害が多かったとは知らなかった)

 


ここに至り、
今日の高速バス再開はないと判断し、鴨川にもう1泊を決めた。

 

同時に「陸の孤島」という言葉の意味を身をもって実感した瞬間でもありました。

 


が、遅すぎた。。。判断が。。。

片っ端から鴨川周辺の宿泊施設に電話をする。
1泊2万のホテルから民宿まで。

でも停電で電話が繋がらなかったり、満室だったりして部屋を確保することは出来ず。。。

せめてお昼に判断してれば・・・

もし次同じような事態に遭遇したら次の日の移動は基本諦めて早々に宿を取る事を誓った夕方4時でした。


嘆いても仕方ないので次の行動に。

もともと1泊2日だったので着替えはもうありません。
検索したら歩いて10分弱の所にコインランドリーがあるみたい。

行ってみたら、、、停電で臨時休業。
駅から少し離れただけで辺り一体停電でした。
ガッカリ。

戻り際にマックとデニーズの営業時間の確認。
マックが午後23時までで、デニーズが24時間営業。
なるほど。

 


次に駅の東口に移動。

周囲に銭湯の類はなく、汗を流す術なし。
なので汗拭きシートと服の消臭スプレーを買いに駅周辺で唯一のコンビニのセブンへ。

店内の食料品と飲料は品切れが続出。
レジ待ちの客が長蛇の列。

それを見て何か起きてから食料を買い求めるのは下策だなと。
ちゃんと備蓄をしようと思い直しました。

 

大震災の後にもそう思ってたのに年月が経ってその気持ちが薄らいでいた。
ちゃんと思い出そう。


公衆トイレで体を汗拭きシートで拭く。

何回も。
ちょっと気持ちが晴れた。

その後、駅の待合室に入る。
エアコンが効いてて過ごし易い。

そこにはキャリーケースや大きな荷物を抱えた人がたくさん。

たぶんオレと同じ旅行客なんだろうね。

 

外国人の姿も多い。
電車が運休と知らず駅に来た外国人の家族が途方に暮れてる。

外国人旅行者にとってこの状況は厳しすぎる。

 


そして鴨川で迎える2回目の夜がやってきた。
(続く)

9/8・9/9・9/10 安房鴨川にて・・・(4)

【9/9 3:00頃 太海駅近郊のSホテルのロビー】
台風情報では三浦半島に上陸したらしい。
となると、ここ(鴨川)にも最接近してる。

外の風と雨の音と雨漏りは一層激しく。
ロビーの床の水溜りは大きさを増してる。


これ以上の状況の悪化は食い止めないといけない。。。

正直、あまり出しゃばりたくないと思ってる。
ホテルの人に任せたい気持ち。

でもこの1時間見てきてあのスタッフではムリだと。


・・
・・・
・・・・
・・・・・

よし、動こう!


まずは状況確認。

フロントロビーの隣はカフェになっている。
そこはもっと雨漏りが酷くてもはや床上浸水。
そこから溢れた水がこちらに流れて始めてる。

ロビーをよく見ると畳一畳分くらいの全く雨漏りしてない箇所がある。
あと壁際が若干高くなってるのか床の濡れ具合が少ない。

 


何も何十時間も耐えるワケじゃない。

天候が回復するであろう午前6時頃まであと3時間しのげればいい。
それならばやりようはある。

 


まずはスタッフに
「バケツでも何でもいいです、雨漏りを受け止める容器をありったけ持ってきて下さい。」
「あとモップもありったけ。」

次に宿泊客に声を掛けてソファーの移動。
先程見つけた雨漏り無しエリアにソファーを移動し、歩行器を使ってる方に座ってもらう。
あとのソファーはなるべく壁際に移動させる。

カフェに近い部分は放棄してタオルで堤防を作りロビーへの浸水を食い止める。


あとは雨漏りの箇所にバケツを20個程置いて受け止める。
今までに出来た水溜りはモップで吸い取る。

(天井から落ちる水がちょっと映ってた)


この時が雨漏りの最高潮ですぐバケツは一杯に。
それをひたすら外に排出する作業の繰り返し。

格闘1時間。

ようやく状況の悪化を食い止められた。


この時のロビーの暑さは相当で。
エアコンが切れて、風が強くて窓も開けられない。
加えて雨漏り対策で動いてる。

蒸し風呂状態。

 

常温の水のペットボトルが配られたけど、欲しいのは冷たい飲み物。
当然自販機は停電で使用不可。

ロビーには売店コーナーがあってアイスやコールドケースに入った飲料も売ってた。

まだ多少は冷えてたはず。

それを配る位の気の利きようがあってもいんじゃないのって思ってた。

あっ、今思ったけど金出して買えばよかったのかw


【9/9 4:00頃 太海駅近郊のSホテルのロビー】

遂に非常電源も完全に落ちて暗闇に。
それと同時に隣のカフェとの境の防火シャッターも閉まる。

うーん、盛り上がってきたね(苦笑

 


スタッフがロウソクを出してきた。


が、
バースデーケーキに差すのかっていうツッコミを入れたくなるような小さいロウソクを

深さ10cmはある缶に入れてる。

やっぱダメだこの人・・・

今夜何回目の失望だったか。。。

 


まぁ缶の壁に光源を遮られてるとは言え無いよりはマシ。
真っ暗闇からは開放されました。

この時思ったのが停電には絶対ランタンだってことで。
懐中電灯は長時間の光源にはならなかったね。

短いローソクは30分程度が限界だった。
次々に消えていく。

また暗闇に。

 

暫くすると海側が白く明るくなってきた。
気づけば午前5時になっていた。    


それから1時間。
午前6時過ぎ。

一人目のスタッフが出勤してきた。
この頃には雨も止み、雨漏りも下火に。

 

薄日が差してきた。
ようやく長い長い一夜が終わった。。。

(続く)

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