2.待機時間と休憩時間について
⭕反対尋問のやり方
ここでは、ブラック企業の反論に対する
反対尋問のやり方を検討します。
⭕反対尋問の目的
①相手側の発言の不明な点を確認する。
待機時間を休憩時間とみなしているが、
その根拠を説明していない。その理由
が不明な点です。
②争点を明確にする。
ここでの争点は、待機時間と休憩時間
の定義です。双方の主張が対立してい
るので、これを明確にします。
③判断基準(クライテリア)を明確にする。
判断基準、「待機時間なのか、或いは、
休憩時間なのか」は、「従業員が自由に
使える時間で、会社の管理下に置かれな
いことでした」。従って、ブラック企業
の主張の方が間違っていることになりま
す。その理由は、ブラック企業は休憩の
場所を監視カメラのある場所に限定して
いること、休憩時間の外出を禁止してい
ることです。これは他の従業員の証言を
により、証明できます。
④後で展開する議論の土台を構築する。
議論の土台は、下記の質問文です。
その後の括弧内( )の中にある文が⑤で
優位に立つための質問です。
ところで、
①休憩時間は、記録されていないですね。
(なぜ、休憩時間を記録されなかったの
ですか。3年前に勤務時間から差し引く
ことにしたのに。)
②また、3年前までは休憩時間を勤務時間
としていましたね。
(なぜ、急に休憩時間を差し引くことにし
たのですか。それまでは休憩時間はなか
った? あったけど自由に取らせていな
かった、不定期な時間で小刻みで休憩時
間と言えるものではなかったから?)
⑤優位に立つこと。
上記のような質問を準備することで、当方
の優位を確立します。優位に立つには二つ
の方法があります。
a.相手側の立論や証拠の欠陥を指摘する。
b.ある質問をすることで相手を攻撃する。