怪談と平和 | TNKS~現役プロ競技ダンサー達のブログ~

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このブログがいつ掲載されるかわかりませんが、書いている本日(8月初旬)酷暑が続いていますカキ氷


皆様いかがお過ごしでしょうか。

TNKSの下田藍です。
 

体育館や半屋外など、冷房が効きにくい場所で踊っている方には厳しい季節…

踊り込みは涼しいところでやることをお勧めします!


日本では原爆投下された日や終戦記念日が8月ということもあり、夏は戦争関連の番組・イベントが増えますね。

私の出身地は福岡県北九州市

2つ目の原爆投下 第一候補地だった都市です日本


「8/9晴れていたら小倉に投下されていた※1

「勝山公園が投下予定地だった(現在は平和祈念碑が立っています)」

「小倉に落ちてたらあなたは生まれてなかったかも」

 

などよく聞かされて(必要ないのに長崎に罪悪感を感じたりして)ました。
 

毎年8/9は公立小学校では夏休みの登校日兼平和学習の日でした。※2

 



 

それでも小学生の自分にとって、両親が生まれる前の話は「歴史」であり遠いできことに感じていました。
 

「日本はいま戦争をしない国だから、全く異世界のような話で興味深い」という気持ちで、

戦争について書かれたノンフィクションを小説のように読んでいたのを思い出します。


ちなみに以下、現在の世界情勢を憂う話に発展するのではなくお願いゆるめの徒然ばなしとなります


そんなこんなで当時の地元の小学生は戦争被害について聞き齧りでの知識があり、

そこから派生した謎の怪談話がめっちゃたくさんありました真顔

・3丁目の山にある防空壕跡では明け方奥から声が聞こえる
・あの建物は6/29の大空襲で死体置き場になったからいまだに霊が彷徨っている
・○○トンネルには白いゲートルを巻いた兵隊が歩いている
・○○島には特攻船で亡くなった方の霊が出る

 

などなど魂

今考えれば、戦時中を知る方々からしたら腹立たしく感じるような話も多いのですが
我々は無責任にも少ない知識を当てはめてはそのリアリティにギャーギャー怖がっておりました。
 

そんな昭和後期、平成初期の小学生は多かったのでは…

どうだろう??


現在の小学生と話をする機会がありませんが、平和学習の機会も減っている今
戦争にまつわる怪談は減っているのかもしれません。※3

 

戦争の恐ろしさを伝える一環として怪談も一役かっていたのかなと今更ながら思ったり。

論文「戦時下の世間話(今井秀和)」を読むと
戦時下の市井で流布した怪談話、噂話について知ることができます。
現在SNSで流れるのと同様、あやしい噂・占いもありますが

戦時下では人が亡くなることが日常となっている様子が恐ろしいです。


非科学的なものを噂にできることや、死んだ人を必要以上に恐れるのは平和な証拠なのかなとも思います。


戦争の記憶を「夏の風物詩」ととらえず、

日本で起こったことを(まずは自分の地元の話からでも)知ると共に

現在の戦争についても考えていかねばと思う2022夏の下田でしたヒマワリヒマワリ

武道館横にある「昭和館」はデータベースでの所蔵資料がとても多いのでおすすめです!

 




注釈
※1:近年、原爆投下を予見した八幡製鉄所が煙幕を張っていたという話もあります (毎日新聞 https://mainichi.jp/articles/20220805/k00/00m/040/376000c )
※2:現在の状況を調べたら10年以上前からは登校日自体がなく、なんと平和学習はゼロということでした (小倉タイムス http://kokuratimes.jp/?p=885)
※3:小中学生の子供がいる弟にヒアリングしたところ、怪談のソースは「ほんとにあった怖い話」などのテレビや本が多いそうで、戦争がらみの話は少ないそう。
また「不幸の手紙」ならぬ「不幸のLINE」が回ってくるそうで、もはや伝統芸だなと思いました昇天