ごろごろ ごろごろ
そらのむこうで おおきな声がひびきます。
「おいおい、そんなに にげなくてもいいのになぁ」
雲のうえから のぞいているのは
まあるいおなかの 雷様。
「おこってるわけじゃないんじゃ。
わしはただ、太鼓が だいすきでのぉ」
どんどん どどーん!
雷様が太鼓をたたくと
「きゃー! かみなりだ!」
みんな あわててかけていってしまいます。
雷様は ぽつんとひとり。
「……また、にげられてしもうた」
ちょっぴり さみしくなりました。
そのとき。
下の村から 小さな声がきこえてきました
「おへそ、とられちゃうかな……」
ふるえている子がひとり。
雷様は そっと 雲のすきまからのぞいて、
にっこり にっこり。
どん! と太鼓をひとつ。
ざぁぁーーーっと あめがふります。
木々が ぱちぱち 手をたたき、
田んぼは きらきら 水あそび。
花たちは いっせいに にっこり!
村の人たちも 気づきました。
「雷様は、こわいんじゃない。
はたけに水をくれる たのしい神さまなんだ!」
その日から、
雷様の太鼓の音は
ごろごろ ごろごろ
「ありがとうのしるし」になったのです。
