海馬というのは記憶の工場です。
大脳新皮質から送られてくる材料をもとに、記憶というものを作っていきます。
新皮質では「いま何が起こっているか」「何を感じているか」が感知され、記憶として保存すべきものがあると海馬へ送っていきます。
海馬から始まって周辺器官をぐるりと回って海馬に戻る記憶の回路があるますが、そのすぐ近くを情動の回路が走っています。
だから感情を伴った記憶を、とりわけ深く細胞に焼き付けるらしいです。
海馬が形成した記憶は、信号として大脳新皮質の側頭葉などに送られ、やがて長期記憶として定着します。
体験は自分なりの意味が付けられたストーリとなり、このストーリの積み重なりが、人生の物語と呼ばれるものを作っていきます。
海馬を通って記憶を形成する以外にも、特殊なルートで脳に刻まれる記憶もあります。
恐ろしかったこと、とても不安だったりショックだった体験の情報は扁桃体に送られます。