夜市の調べ
回せ
回せ
手を 止めるな
夜は安い
酒は薄い
女の肩は
骨ばかり
夜風は 乾く
ぎい
ぎい
祈りが鳴る
私の腹の中
小さな歯車が
ひとつ 欠けてる
回せ
回せ
忘れるまで
ヴァイオリンが
皮膚をこすり
擦り切れて 血を流し
やがて 記憶まで擦る
ああ
あの女は もう幾度
死んだのか
ぎい
ぎい
光が増えるたび
影が一人
はみ出す
回せ
回せ
朝になる前に 心臓を
もう一周り
✴︎明治・大正時代の写真集にインスパイアされました。古さと近代化が入り乱れた混沌とした時代。
闇に何かが、置き去りにされ、勝手に楽園をきづいた、エロ・グロ・ナンセンスが地中深くに根を張っていた気がする。堪らなくそれが魅惑的。