口遊〜鳴きウサギ〜 -4ページ目

口遊〜鳴きウサギ〜

鳴きウサギ|Nakiusagi
静かに鳴く小さな声のウサギ。
青薔薇の咲く場所で、和歌・童話・詩・願いを綴っています。
2009年より、呟きのように日々を記録。
noteでは「舞香亭幻想香炉」という物語の香りを、そっと灯しています。

https://note.com/nakiusagi44

夜市の調べ



回せ
回せ
手を 止めるな


夜は安い
酒は薄い

女の肩は
骨ばかり

夜風は 乾く


ぎい
ぎい

祈りが鳴る

私の腹の中

小さな歯車が
ひとつ 欠けてる


回せ
回せ
忘れるまで


ヴァイオリンが
皮膚をこすり

擦り切れて 血を流し
やがて 記憶まで擦る


ああ
あの女は もう幾度

死んだのか


ぎい
ぎい


光が増えるたび
影が一人
はみ出す


回せ
回せ


朝になる前に 心臓を
もう一周り





✴︎明治・大正時代の写真集にインスパイアされました。古さと近代化が入り乱れた混沌とした時代。

闇に何かが、置き去りにされ、勝手に楽園をきづいた、エロ・グロ・ナンセンスが地中深くに根を張っていた気がする。堪らなくそれが魅惑的。