雪の下の独り言 | 口遊〜鳴きウサギ〜

口遊〜鳴きウサギ〜

生きる為に 息をするのを忘れていた
わたしのまわりが 息をするには狭すぎる
野々草を摘んで 口遊みなが ゆっくり ゆっくり歩きたい
勝利者とは誰のこと?
居心地の悪いところに居たくはないの

雪の下の独り言


映画の主人公のように
美しく生きられない

例えば 嘘吐きのシーンでも
ただの裏切り者で終わるだけ…
映画のようなどんでん返しは起こらない

何と言われたとしてももういいと
ホワイトアウトと化した
この先を睨んでも
見えないわ…

今は長い冬が終わるのを待つだけ…
暦だけが 少しづつ歩みを進め
肩を抱いてくれる…

あなたは幾度辛抱したかしら?
長い冬…長い夜…長い雨

こんなはずじゃなかったのよ
すべて行き違いだったのに
言い訳するのは 一番わたしらしくない

だからもう前しか向かない…
過去は帰らないのだもの…

いつか日の差す日が来る時まで
蹲っていよう…

足跡おろか 景色忽ち
覆い尽くす雪の下に命あり
知らぬ顔する白の無情さ

残酷と言えば総じて
自然とは なべて情けもなかりけり
喜怒哀楽は 人故にありて
万物は然るべきように在るが儘
在るべき場所へ 流れている
時が目に見えぬのに 違えず
来る季節の如く…息をする如く