ー非常ベルー
軽いスゥイングのような詩がいいんだ
重苦しく難しい話はやめてくれ…みたく
時代がいうのか?人がいうのか?
流行らないものはなんなのか?
考えてるんだよ ちゃんとね…
だけど考えてる顔したく無いだけさ
ヒゲを描いたような猫がいう
空には雪雲また 眠たげな
重い雲…
昨日働いているビルでさ
非常ベルが鳴ったのよ…
数十階建のビルだから
びっくりしそうなものだけど…
みんな少し顔を上げたけど…
黙々と仕事を続けるの…
非常ベルは誤報だったの
結局はね…よかったんだけど…
館内放送がお詫びしてたわ…
だけどだーれも驚かないし
気にも止めない
この国が少し怖いと思った…
結局 水から茹でられて
気づかぬ間に死んでゆく
カエルみたいに わたしたちは…
なんにも気づかぬままにさあ
ぼんやり仕合わせなふりをして
文字通り 仕合わせてさあ…
不安なのに笑い飛ばして…
臆病な癖に強がって…
子どもみたいな国だなって わたしも含めて そう思ったの…
ネバーネバーランドなんて無いのにね
まだ夢を見ていて
I can fly ! I can fly !
寂しい…この街…顔見知りの他人…
ほんとうはなんにも知らない
真実なんて…
知ることも 怖がる…
非常ベルのけたたましきも
無関心の重き扉を
開けられずにゐる