新年の手紙 | 口遊〜鳴きウサギ〜

口遊〜鳴きウサギ〜

生きる為に 息をするのを忘れていた
わたしのまわりが 息をするには狭すぎる
野々草を摘んで 口遊みなが ゆっくり ゆっくり歩きたい
勝利者とは誰のこと?
居心地の悪いところに居たくはないの

ー新年の手紙ー

戌としの陽を浴び早も
四日が過ぎゆき…
街に活気のまばらに戻りぬ

正月らしき
挨拶もせぬまま
徒然 ぼんやり暮らし居れば
時は流るる川の如し
日々 きっかけの小川
暮れる頃には大河となりて
海にでるらむ

君如何に座すとや
尋ぬるももはや気恥ずかし

言い換へて
君に良き年でありますようと
ひたすらに祈る…

勤めと侘家の半径を
行ったり来たりの忠犬の足取りの
我が身なれど…

見上げる空の
明け星 宵星見るたびに
君を思わぬ日は無きと
いづくかでそれを
わかりてさへ居てくれたならば
上々…

けふも同じ路を歩いている
ひとり肩を落とさず…歩いている

君も達者で居てくれ給え…

鳴兎   拝

満月を望む杣屋に
仔犬来る


毎年の挨拶で一番遅い挨拶になりました。
皆さま 今年もよろしくお願い致します。