羽田空港 国際線ロビー | 口遊〜鳴きウサギ〜

口遊〜鳴きウサギ〜

生きる為に 息をするのを忘れていた
わたしのまわりが 息をするには狭すぎる
野々草を摘んで 口遊みなが ゆっくり ゆっくり歩きたい
勝利者とは誰のこと?
居心地の悪いところに居たくはないの

北斗星海を掬うや秋の宵

ー羽田空港 国際線ロビーー

銀色の鋼の翼 夕闇を
劈きながら 西へ東へ

誰をか乗せむ その中に
熱き想いも 切なさも
連れ添い行くか
置き去り行くか

総て 心の命じるままに…

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光のなる樹に 色取られ
旅の支度をする人は
しばらく それを見上げては
さよならの言葉を探す

お帰りなさいの一言よりも
さよならが似合う 国際線は
ふたたび逢えないかも知れない
そんな縁も 必ずあって
それが なぜだか
とても切ない 空へ飛び立つ
唯一の道…

旅人も足をふと止め振り返る
ふたたび踏まぬ土地の輝き