流離う | 口遊〜鳴きウサギ〜

口遊〜鳴きウサギ〜

生きる為に 息をするのを忘れていた
わたしのまわりが 息をするには狭すぎる
野々草を摘んで 口遊みなが ゆっくり ゆっくり歩きたい
勝利者とは誰のこと?
居心地の悪いところに居たくはないの

ー流離うー

拙い今日を紐解いて
調子の合わない君との仲を
今更悔やんでみたとしても
なんにも始まらない

君は一歩前進という
わたしには一歩後退に思え
いつもの朝の喫茶店
此処が逃場所になっている

愛や恋だの泡沫は
日の射す合間の一瞬のこと…

それでも
むかしは信じたわ
君の言葉を 愛をすべてを…

けれど 夏場というのに薄ら寒い
君の横顔は氷のようで
季節に似合いのことだろうなんて
下手な洒落にもならないみたい…

暦が変わる頃にはきっと
わたしは傍にいないだろうなんて
そんな予感が頭を過る

心変わりを恐れるわたしは
ほんとはわたしが変わるせい

わたしはプリズム 七色 八色
同じ表情を明日は持たない

君が愛したわたしとは
いったいどんな顔だったのか
もうそれすらも思い出せない

光を再び闇に戻して
わたしはもう一度 再生する
プリズムをもう一度 再生する

君ではない誰かを 探すため

愛はひとつとして
継続した試しが無い
それは 君のせいじゃなく
他の誰のせいでもない

わたしが流れているせいだ
そうして わかっていることは
わたしは今でも 愛が欲しい

弛まぬ愛の大海を
跳ねる魚でいつも在りたい

ーうたー

馴れ合いの隙間に忍び寄る影は
過去に見かけし別れといふ名

愛といふおごりの言葉かさにきて
今高水は土手壊しゆく

我が胸の愛希求する貪欲は
この世にあらぬ夢を見るなり
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