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高輪自然美容研究室

心と身体と魂の健やかさ、慈愛を元に様々活動をしています。

みなさま、こんにちは☆ takanawa藤池です。

さて、先月に続き「医薬部外品」Vol, 2です。
第一回はこちら→ 『Ingredients-藤池の成分考察』 第3回 「医薬部外品」Vol.1

先月は医薬部外品の成分表は一般のものと違い、
・必ずしも配合量の多い順ではない
・表示しなくて良いものもある
という2点が大きなポイントでした。

今月は、『医薬部外品の”効果・効能”って何?』です。

さて、今年美容界で一番のニュースになったのはやはり某化粧品会社の成分”ロドデノール”が理由とされる白班問題でしょう。

これには皆様の中でもちょっと怖さを感じた方もいらっしゃるのではないかと思います。
9月頭の時点での被害者数は1万人、、、もの凄い数です。

前回も書きましたが、医薬部外品は化粧品と医薬品の中間に位置します。
化粧品は都道府県の認可で販売が可能になりますが、医薬部外品で新しく効果が期待出来るとされる成分を添加する場合、厚生労働省に申請し、独立行政法人 医薬品医療機器総合機構(PMDA)の審査を受け、その結果を元に厚労省の承認によって初めて販売が可能になります。

この申請には、臨床試験(人、または動物)を始めとする詳細な科学的データが必要で、当然、簡単なものではありません。
今回の成分も2年間の間に1200件の調査をして問題無いとされています。
この手順と承認の厳しさは医薬品とほぼ同じ、生化学的なデータを元に認証される訳です。

皆様に注意して頂きたいのはここです。
医薬部外品で扱われる成分は科学の中では『医薬品と同じ』なのです。

一般の化粧品は薬事法において美白などの効果・効能を謳ってはいけないと決められています。
それは整体の自然な流れを手助けするだけでは効果・効能とは言えないからです。
(化粧品の広告で使用出来る文章については→ 薬事法ドットコム、化粧品の効能の範囲 を参照)

・ニキビが出来たら治る。
・日焼けをしたら自然にもとの色に戻る。
・何かにかぶれて皮膚がただれても元に戻る。

これらは我々の身体に備わった機能であって、効果・効能ではありません。
治癒が早かったり遅かったり、シミが残ってしまったり、という程度の差はありますが、細胞や生体の老化や環境(外的環境や食等)に左右されますので、正確に計る事は出来ません。

ですので、薬事法上でいう”効果・効能”とは、『本来持っている生体の機能以上の何かを科学的に起こす』と捉える事が出来ます。

ここを認識しているか否か、で今回の問題も捉え方が違ってきますね。

自然療法などを意識している方々はこの危険性を理解出来ると思います。
生体に外部からの力で本来の機能以上の働きをさせた場合、当然どこか他の部分に必要以上の負荷がかかります。
これは人によって違い、どこにどう影響するかの完全な推測は不可能です。
これは薬の副作用(反作用)と同じですね。

薬用化粧品はあくまで美容に関わる”効果・効能”を期待します。
医薬品と違って生きていく事に不可欠な重要作用を期待するものではありません。
色が黒くてもシミ・シワだらけでも生きていけます。
然るに、副作用(反作用)も、生きていくのに必須な機能を破壊するほどでは無いと考えられます。(例外は否定出来ませんが。)
生化学的には白班がどんなに酷くても生きていけるため、大きな問題ではないのです。
(精神的には大問題だと捉える方が大多数だと思いますが。。。)

今回の認可は前述のように2年間1200例以上の臨床を経て与えられています。
どうして臨床の段階でチェック出来なかったのか、被害が判明した初期の段階でどうして販売を停止する事が出来なかったのか。

今回の被害、皮膚が元に戻るかどうかという生化学的な問題以上に、精神的な問題の方が大きい様に感じる方も多いでしょう。

美容は精神的な部分も大きく、科学では完全に説明する事は出来ません。
科学システムでコントロール出来ない部分が多くあります。
今回の被害が大きくなった一因として、厚労省としてのチェック機能が、科学的なデータを重要視する為に起こった部分もあるかもしれませんね。

消費者も、医薬品並みの効果・効能を期待し、リスク含めて納得して使用していたのであれば、ここまで問題は大きくはならなかったでしょう。

厚労省の認可、行政やメーカーの問題に対する対処、販売の方法、販売員の効果・効能についての知識、消費者の認識、などなど今回は多くの問題を含んでいます。

皆様には医薬部外品について、そして成分の『効果・効能とは何を言っているのか』について、きちんと認識して頂きたいのと同時に、もう一歩進んで、美容にどこまで依存して生きているかを認識するきっかけと捉えて欲しいと考えています。

あえて一段階問題を深くしますが、本来の健やかさとは『自由度』が高い事です。

美白に依存すれば、どんなに肌が白くても健やかさ(真の美)からは離れます。
美白に依存すれば、それが失われた時のダメージもそれだけ大きくなります。
以上を認識して、どこまでリスクを覚悟して美白を目指すか、が自立した考え方だと思います。

美容やメイクが自由に出来る先進国に女性として生まれた事を存分に楽しむのは素晴らしい事です。
私も藤池百合子という人生を目一杯楽しもうと思っています。

しかし、それが当たり前だと考えてしまうと失うものも多くなります。
全てにおいて同じ事が言えますが、満たされているからこそ考えを深められる事でもあります。歳を重ねても美しく自立した女性として輝く為に、美容をきっかけに考えて頂けますと幸いです。

それでは、今年もFlana、および高輪自然美容研究室をご愛顧いただきありがとうございました。

みなさまが真に美しくありますように、そして、周囲の方々と共に愛ある時間を過ごせますように、年末年始はエルサレムの地から祈りを捧げさせて頂きます。

よいお年をおむかえくださいませ。
takanawa 藤池