傾聴は、
ただ人の話を聞くだけでは、ありません

傾聴を習う時に、よく聞くのが
「聞く」と「聴く」は、違います

「聞く」・・・ただ単に話を聞く
「聴く」・・・漢字の通り、
      「耳」に「十(プラスして)」、
      「目」と「心」で聴く

なんか納得感ある話ですが
実際にやってみたら分かります

どうやって
「耳」に「目」と「心」たすんだよ

「聴く」とは、どういうことかって聞けば
おー、って納得感あるのに

実際やると、さっぱり出来ない

そりゃそうです
「目」は、モノを見る器官で
「心」は、感情を司るところ

どちらにも音を聞く機能は、ありません

ただし、
あなたも気づいているように

「耳」は、ただ単に音を拾っているだけでなく
「目」は、ただ単にモノを見ているだけでなく
「心」は、ただ単に感情を持ってる訳では

ありません

それぞれが、お互いに影響しあって
僕らは、総合的に
「聞いてる」し、「見てるし」、「感じている」

じゃ、「聴く」って
普段からやってる通りですね
と言われると、それはそれで違います

「聞く」と「聴く」は、違う

僕の理解では、
「聴く」は、
今ここにいる相手に、なりきるために聴く

例えば相手が
「赤いリンゴが食べたい」と言ったとしたら

その言った人と
同じように「赤い」と認識して
同じように「リンゴの形」を想像して
同じように「食べたい」と思う

具体的に言うと
「赤いリンゴが食べたい」は、

お皿に乗った既に切り分けられている
食べやすいようにつまようじの刺さった
リンゴを食べたいのかも知れないし

1コ丸ごと、今、採ったばかりの
瑞々しいリンゴを丸かじりしたい
のかも知れない

もしくは、
100%ジュースのパッケージに描かれた
リンゴの絵をみて、
食べたいと思ったのかもしれない

「赤いリンゴが食べたい」と
言った相手の頭の中にあるものは、
その時のその人によって違うのです

これを相手が言っている通りに聴くのが
「傾聴」

だから、「傾聴」は難しい

ただ、聞いていても相手の言ってる通りに
受け止めれているのか分からないし

言ってる通りに受け止めようと
質問し過ぎたら、話しているのは誰だよ
って話になるからです

聞き過ぎず、話し過ぎず

ね?難しいでしょ

しかもですね
相手の話を聞きながら
適切な返しを話すには

相手の話を理解しながら聴く必要がある

一生懸命、理解しながら聴いていると
返しをするのを忘れる

ただ、聞いているのと
一生懸命、聴いている

ま、他人から見たら
全くその差が分からない訳です

真剣に聞いている振りも出来るし
ボケーっと聴いている振りも出来る

ただ、聴いているのに
ボケーっと見えたらもったいないだけなので
聴いている時は、真剣な態度を取りましょう
ってはなしでは、ありますが

要するに

相反する2つの事
真剣に集中して聞きつつ
適切な返しをする

これが、難しいのです
だけども必須のスキルになるので

少しでも、より良い傾聴が出来るように
頑張って行きたいと思います
 

 

 

 

トニー・ブリゲル