昨年9月30日、開催日まで半年を切ったところで正式発表された大きな節目のワンマン。

 

ソロ活動開始から20周年。

ユニット時代も含めたら人生の半分以上。

一つのことを続けることの大変さ、怖さは想像すら出来ない。本人にしかわからない。

それを凌駕するだけの喜び、出会い、生み出された素晴らしい作品の数々が原動力になったのだろうか。

 

そんな20年間の集大成、そして新たなスタートに立つための大切な場所となったのが10年ぶり2度目のduoワンマン。

 

普段は時間ギリギリに到着し後方の席で観戦し、グッズは音源以外はほぼ購入していないのだけど、この日は特別。

ファン仲間と早めに集まって前飲みし、余裕を持って会場に到着。ニューアルバム以外のグッズも購入。外れ無しガチャも楽しんでみたり。

入場後は最前列に座り、Utaco.Tシャツに着替えて開演を待った。

 

昨年12月に病に倒れ緊急手術を受けたと発表された時には、ライブ延期が現実味を帯び、少なくともレコ発は延期されると誰もが思った。

でも20年間で出会った仲間達や家族のサポート、そして絶対にやり遂げるという本人の強い思いが奇跡を起こし、それを見届けようと全国から駆けつけたファンや仲間達で大きな会場が埋め尽くされていった。

 

開演時間となりメンバーがステージに登場。会場内が割れんばかりの拍手と笑顔で溢れた。

Utaco.さんはニューアルバム「dress up」の衣装で登場。ステージを見渡し、満面の笑みで歌い始めた瞬間にはこみ上げるものがあった。

 

1曲目に選んだのは「ALWAYS」。バンドライブでは定番、前向きで盛り上がる曲。

10年前のduoワンマンで新曲初披露された作品。ずっと愛され続け20年目の最初に歌われたのも感慨深い。

 

前半10曲は活動初期からの歴史を辿るような選曲がメイン。

「サーチライト」、「肩書き以上恋人未満」、「東京タワー」、「矛盾のパレット」

詩-uta-時代からずっと愛され、節目のライブで披露されることも多い。これからも色褪せることなく愛され続けるだろう名曲達。

 

意外過ぎて驚いたのは「虚構と海の四面楚歌」。滅多にライブで歌われることが無いレア曲。路上ライブで初めて聴いた時、その歌詞とメロディに衝撃を受け、詩-uta-というアーティストの独創性と魅力を一番感じた曲。この曲がduoで聴けたことが大きなプレゼントに感じた。

この曲では「まだここにとどまりたい理由はなにかしら 怖いの?」と問いかけていた詩-uta-さんは、今前に進み始めようとしている。

 

後半はニューアルバムからの選曲。コロナ渦で生まれ配信中心で披露されてきた曲が多い。ようやく素敵なアルバムに収録され、節目のステージでも体感できた。

 

この日唯一の新曲だったのが「Fendi」。大切な家族だったマーシャルフェレットが昨年11月に虹の橋を渡り、彼のことを歌った曲。可愛らしくほっこりとする、そして愛溢れる曲でとても沁みた。

 

「愛なんて」もコロナ渦の作品。歌詞で「あなた」を呼ぶ愛の歌は珍しい。ニューアルバムでも13曲中この曲だけ。他では11人の「君」が登場する。ストレートな愛の歌詞が好き。初めて聴いた時から癒やされ、この日も癒やされた。mollsさんの歌声との相性も抜群だった。

 

本編ラストは勿論「dress up」。自分にとって心の支えになるような歌詞。誰もが抱えている思いだと思う。優しいメロディに乗せて歌われると力を貰える。

何よりも今のUtaco.さんが自分自身に向けて歌っている内容でもある。

 

自分のために始めた音楽が誰かの力になることを知り、多くの素敵な出会いもあり、それで満足していたUtaco.さん。

コロナ渦に今後どうありたいのかを考える時間が増え、もっと多くの人に知ってほしい。そのために「売れたい」と初めて思うようになったとのこと。「さよならYesterday」や「Utopia」や「dress up」の歌詞にはその思いが感じられる。

 

自分ももっと多くの人に知ってほしいとずっと願っていたし、漠然と売れてほしいと思っていたけれど、それは1ファンの無責任な思いとしてのこと。

Utaco.さん自身がそこに向かって挑戦していこうというのであれば、それを全力で応援し見届けていきたいものだ。

 

アンコールでは赤いUtaco.Tシャツに着替えて再登場。 

大切な曲「ドミノ倒し」をソロで弾き語り、最後はバンドメンバー全員が登場し、と会場内全員で「蜃気楼」で盛り上がって終演。

 

最初から最後までとても濃い贅沢な時間だった。ファン同士での繋がりもたくさんあった。多くの「はじめまして」や「お久しぶり」。ライブ中だけでなく開演前から終演後までが素敵な時間となった。

 

次の10年後、いや3年後はどんな景色がみられるだろう。

ワクワクして想像していたい。

でもその前に、どうかどうか健やかであれ

 

①ALWAYS

②泣けないままなんだ

③サーチライト

④肩書き以上恋人未満

⑤東京タワー

➅矛盾のパレット

⑦星の降る夜に咲いて

⑧タイムリミット告げて

➈虚構と海の四面楚歌

⑩バイバイあまのじゃく

⑪Fendi

⑫愛なんて

⑬月とアイラブユー

⑭春、煌めいて。

⑮栞

⑯嘘つきになるよ

⑰さよならYesterday

⑱dress up

(encore)

⑲ドミノ倒し

⑳蜃気楼

 

 

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