ゴルフはメンタル! Arosal Level(興奮度)とパフォーマンス その2 | 宮崎太輝のグローバルスタンダードゴルフ!

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NY出身のティーチングプロ/トレーナーであるタイキが、日本のレッスン業界を面白くするために始めたブログ。日本とアメリカ最先端のゴルフレッスン/トレーニングの違いを教えてあげちゃいます;)



こんにちは!

Torque Athletic Golf Instituteのたいきです!

前回に引き続き、今回はゴルフ中のメンタルについて書かせて頂きます♪

前回の記事では、Senichiroが前半はもの凄く楽そうにスコアを伸ばしたのにも関わらず、

後半スコアを伸ばしきれずにホールアウトしてしまった模様を書きました。

後半スコアを伸ばせなかった理由は『残り数ホールでバーディー取らないと目標スコアを達成できない!』と焦ってしまったことが挙げられると思います。

「心境の具合によってパフォーマンスが変化する」というのはスポーツ経験者ならなんとなくわかるかもしれません。

では、そこをなんとなくではなくハッキリさせちゃいましょう!

それではこちらの図を見ていただこうと思います。



"Inverted U Theory"
(逆U字理論)

この図は心理学者のRobert M. YerkesとJohn Dillingham Dodsonが提唱したArosal Level(興奮度)とパフォーマンスの関係性を示したモデルであります。

どういう理論かというと、『心理的・メンタル的に興奮度が上がるとパフォーマンスは上がる。でも、あるポイントにおいてだけだよ!』

って感じです。

それではグラフの見方だけ把握しておきましょう。



X軸は右に行けば行くほど興奮度が上がり、Y軸は上に行けば行くほどパフォーマンスが上がると考えて頂ければ良いです。

あまりイメージが沸かない人のために、適当に例を出して考えてみましょう。

ある日、あなたは寝ているところをいきなり叩き起され急にボールを打ちなさいと言われたとしましょう。

あなたはビシっとナイスショットを打てるでしょうか?

僕は無理なんじゃないかなと思います。

さすがに寝ぼけてるような状態で良いショットは打てないんじゃないかなと思うから(笑)

この時のあなたの興奮度とパフォーマンスのグラフを見てみましょう。

きっとこんな感じだと思います。



イメージ出来ましたでしょうか?

それでは、今度はラウンドをしていて何をやっても上手くいくときのことを思い浮かべてみましょう。

いい感じに興奮していて、パフォーマンスもしっかりでている時です。



今度は、久しぶりのコンペで皆があなたのティーショットを見ている状態でのショットを思い浮かべてみましょう。

あなたはきっと緊張しまくってこんな感じ。



興奮し過ぎて、パフォーマンスのレベルが下がりまくり。

で、ミスしちゃう。

こんな感じで逆U字モデルを利用して自分の興奮具合とパフォーマンスを照らし合わせてみると、なんとなくそれっぽい!と思いませんか?

それではこの前のSenichiro(長いでこれからSeth)のラウンド時の興奮度を場面ごとに見てみましょう。

前半の9H、スタート前は弾道がドローからストレート・フェードになって初めてのラウンドだったので多少の不安があったようです。

しかし、全く曲がらないドライバーショットと簡単にグリーンオンするアイアンショット、そして今まで苦手だったという110Y 以下のショットの距離感も合っている状態が続いていたので彼もすっかり良い気分でプレーしていました。

このときの彼の興奮度とパフォーマンスはこんな感じだったでしょう。



興奮度も適切だったので、高いパフォーマンスを発揮したと考えられます。


前半の内容が中々よかったので今度は彼の勝負強さを見てやろうと思い、バーディーが取れるチャンスを少なくして彼がどんなプレーをするか観察することにして

「後半はもっと自分本来のプレーをして欲しい。でもお腹いっぱいのところを調子整えなきゃだから後半の2ホールは前半と同じようにプレーして、途中からもっと自分の個性をだしてプレーしていいよ」

と伝えました。

で、後半いきなりバーティーだったんだけどしばらくパーが続きました。

しかし残りホールが少なくなってきたとき、彼も徐々に焦りだしました。

そして本来だったらチャンスホールであろう短いパー4でディボットにハマッたボールを強く打ちすぎ、少しグリーンオーバー。

アプローチが寄らず。

狙いにいったパーパットが入らず。。

大きくオーバーしてしまったボギーパットをなんとか沈めてダボを免れました。

このときの彼の興奮度を見てみましょう。



このように興奮度が高くなりすぎて、パフォーマンスが低くなってしまっていたのではと思います。

緊張したらやっぱり力が入る→力が入ったらいつもと同じことができない→ミスする

って感じじゃないかな。

そんで残りのホールも本来の彼にとっては簡単なショットの距離感が合わずパーが続きホールアウト。。

逆U字理論のモデルを使ったSenichiroのメンタル分析はこんな感じになります。

皆さんはどう思いましたでしょうか?

僕は割と外れたことをいってないんじゃないかなぁと自分で思うんですけど(笑)

もしSenichiroが前半と同じような心構えでプレーしていたら目標達成は容易だったと思います。



それではゴルフの場合の理想的な興奮度とパフォーマンスの状態について考えてみましょう。

僕はこんな感じなんじゃないかなぁと思います。



18H中、高すぎず・低すぎずの興奮状態を維持してパフォーマンスのレベルを一定に保つ!

興奮状態をコントロールすることができれば、あらゆるトラブルに対して動じなくなったり調子に乗りすぎることがなくなります。

そうするとゴルフのラウンドでスコアを出すっていうのが凄く簡単になるんです。

高すぎず・低すぎずの興奮状態をってことは、『そこそこ』なショットを打ち続ければ良いってだけ。

『そこそこな球を打つ』というタスクを一生懸命やる人はいません。

それを意識してボールを打っていくだけて興奮度は簡単に保てるようになります。

『そこそこ』なショットを打っていって流れに乗れたらスコアは伸びるだろうし、

調子が悪くても『そこそこ』なショットを打っていたら大崩しなくなります。

簡単にいうねぇって思うかもしれませんが、僕は難しいことではないと思います。

太極拳をやればね!(笑)

脱力だけじゃないんだぜ、太極拳は!!

まあ、これに関しては太極拳だけではなく武道・武術全般に共通してあるものだと思うんですけど:)

武道をやってたら興奮度とかをコントロールするための「何か」を手に入れることができると僕は考えています。

しかも、ゴルフの場合相手がいない分それは間違いなく武道よりも容易に身につけられる。

だから簡単だって僕は思うんだよね。。

あ、後この逆U字理論は色々なモデルがあります。

緊張した人の方がパフォーマンスが上がったりするモデルとか

技術のレベルによってパフォーマンスが変化したりとか

技術の複雑さによって云々とか

面白いのがいっぱいあるんだぜ!

まあ武道に関しても他の逆U字理論についてはまた今度書かせてもらおうかな!

そんなわけで今回のまとめです。

・興奮度によってパフォーマンスは上下する。
・興奮度のコントロールによってゴルフの調子を整えることができる。
・武術・武道によって興奮度をコントロールするヒントを手に入れることができる!?

てな感じで♪

今回の記事は以上になります。

さいなら~

P.S.
遊びでやった、Senichiroの超低空で転がりまくる『ドロ~ンショット』!笑


たいき