以前ご質問いただいた内容と似ているのですが、先日こんな患者さんを診察しました。
かかりつけ医で甲状腺機能低下症を指摘され、甲状腺ホルモン剤を処方されたのですが、甲状腺ホルモン剤の副作用を知り、飲みたくないと言われた患者さんです。
薬局で甲状腺ホルモン剤を処方されたとき、薬の説明書もいっしょに渡され、そこに副作用のことが書いてあったそうです。実物を見せてもらいましたが、副作用についてたくさん書いてあり、真剣に読んだら飲みたくなくなるのは当然だと思いました。製薬会社が出している薬の添付文書(説明書みたいなものです)に記載されているものですから、内容は決して間違っているものではないのですが、「それ全部載せるの?」というくらい盛りだくさんでした。
添付文書に書かれている副作用は以下の通りです。
重大な副作用
・狭心症
・肝機能障害、黄疸
・副腎クリーゼ
・晩期循環不全
・ショック
・うっ血性心不全
その他の副作用
・過敏症:過敏症状
・肝臓:肝機能検査値異常(AST上昇、ALT上昇、γ-GTP上昇等)
・循環器:心悸亢進、脈拍増加、不整脈
・精神神経系:頭痛、めまい、不眠、振戦、神経過敏・興奮・不安感・躁うつ等の精神症状
・消化器:嘔吐、下痢、食欲不振
・その他:筋肉痛、月経障害、体重減少、脱力感、皮膚の潮紅、発汗、発熱、倦怠感
まともに読んだら、飲む気なくなるのは当然ですね。
これらの副作用とされる症状は、過敏症を除き、不適切な治療によって起きてしまう症状です(これを副作用と呼ぶのか微妙です)。
血液検査で甲状腺ホルモン値を確認しながら適切な投与量で治療している限り、副作用(とされる)症状は出現しません。副腎クリーゼは、合併する副腎不全を見逃して甲状腺ホルモン剤を投与することによって起こることがある副作用です。副腎不全の治療を先行させる必要があります。
適切に治療されている限り、副作用については心配いりません。