甲状腺ホルモン剤(レボチロキシン、チラーヂン®S)服用の基本についてお話いたします。最近甲状腺ホルモン剤を処方されたという方はぜひ読んでください。また、長期間服用中の方も参考にしてください。以前の記事と重複することがありますがご了承ください。

 

 

・甲状腺ホルモン剤は1日のうちで好きな時に飲んでください

 

 原則として、指示されたタイミングで内服してください。飲み忘れた場合は、その日のうちに飲んでください。例えば朝飲んでいる方が飲み忘れた場合、昼でも夜でも思い出したときに飲んでください。薬剤師さんからそれはダメと言われるかもしれませんが、大丈夫です。

 

 本来は空腹時に飲むのが最も吸収がよいと言われていますが、食後内服で安定している場合は、あえて空腹時に変える必要はありません。

 

 甲状腺ホルモン値が安定しない方、妊娠中や妊娠希望の方は、空腹時にしっかり服用しましょう。

 

 

・甲状腺ホルモン剤がなくなる前に受診して、検査を受けてください

 

 しっかり内服している状態で血液検査をしないと、内服量を決めることができません。ときどき、「薬がなくなったので来ました」と言って、しばらく飲まずに受診される方がいます。薬の効果が切れた状態では、正しく評価できません。

 

 

・自分で投与量を調節しないように

 

 「調子が悪かったので、1日だけ倍量飲んでみました」という方がいます。それは意味がないのでやめましょう。それどころか、自分で内服量を調節してしまうと、血液検査の結果をみても、どのように調節していいのか分からなくなってしまいます。

 

 

・甲状腺ホルモン剤には副作用はほとんどありません

 

 主成分そのものは体で作られているホルモンと同じですので、安心して服用してください。添加物による副作用が出ることがありますが、極めてまれです。薬局で配られる説明書に副作用がたくさん書かれている場合がありますが、それは過剰投与となった時の症状です。定期的に血液検査を行いながら調節している限りは心配いりません。

 

 

・チラーヂン®S錠には様々な種類があります

 

 主成分の含有量によって、12.5μgから100μgまで5種類の薬があります。単独で服用することもあれば、組み合わせて飲む場合もあります。間違わないようにしてください。

 

 

・甲状腺ホルモン剤の吸収を悪くする薬剤があります

 

 甲状腺ホルモン剤といっしょに服用しないほうがよいと言われている薬剤があります。甲状腺ホルモン剤の吸収が悪くなるからです。胃薬や鉄剤が代表的な薬剤です。そのほかにも複数の薬剤があるのですが、そんなの気にしていたら大変なので、以下のようにしてはどうでしょうか。

 

 ①1回か2回の服用なら全く気にしない。

 ②継続して服用が必要なら、同時に飲まないようにする(4~5時間あけておけば確実でしょう)。

 掌蹠膿疱症などの治療にビオチン(ビタミンB7やビタミンHとも呼ばれています)が使用されることがあります。ビオチンは皮膚・粘膜の健康維持目的にサプリメントとしても販売されています。1日のビオチン摂取目安量は成人で50μgと言われていますが、ドラッグストアなどでは1日量500μgのサプリメントも売られています(日本ではこの量が上限なのだそうです)。

 

 話は変わりますが、血液中の甲状腺ホルモンはどのように測定しているのかについてです。簡単に言うと、血液と専用の薬剤(試薬)を混ぜて反応を起こさせ、その変化の度合いからホルモン濃度を数値化するという方法を取ります。

 

 甲状腺ホルモンを測定する検査機器には様々な種類があり、反応に使われている試薬はそれぞれ異なります。当院ではロシュ社の装置を使用していますが、この装置で使用する試薬にビオチンが使われています。そのため、ビオチンを服用中の方は注意が必要になってきます。血液中に大量のビオチンが含まれると、検査結果で誤った値が出てしまう場合があるのです。

 

 例えば、FT4やFT3を測定する際に、検査を受ける患者さんがビオチンを大量に服用していた場合、本来よりも高い値が出る場合があります。TSHはその逆で、本来よりも低くなってしまいます。本当は異常がないのに、見かけ上FT4やFT3が高くTSHが低く出てしまう。これでは甲状腺中毒症と診断されてしまう可能性が出てきます。甲状腺自己抗体も高く出てしまう場合があります。

 

 日本で製造販売されているサプリメントの含有量であれば支障はありませんが、海外からの輸入品だと、大量のビオチンが含まれている場合があり注意が必要です。現状では、5mg以上のビオチンを服用している方は、服用後8時間以上あけてからの検査が推奨されています。ただし最近は試薬の改良が進み、より多くの服用量でも検査結果に影響しないようになりつつあります。

 

 すべての検査機器でこのようなことが起こるわけではありませんが、どこの施設で検査を受けるとビオチンが結果に影響するのか、そのようなことは患者さんには分かりません。輸入されたビオチンサプリメントを服用している方は、検査を受ける前には一旦中止するなどの注意が必要と思われます。

 スマートウォッチを使っている人が増えています。当院を受診される患者さんでも、腕にそれっぽいものを付けているのをよく見かけます。

 

 最近、スマートウォッチの心拍数測定機能を使って、バセドウ病が再発したのではないかという患者さんがいました。

 

 スマートウォッチ使用中のバセドウ病寛解状態にある患者さんですが、経過観察のため受診した際に、少し前から安静時にも心拍数が上がっていたと話していました。血液検査をしてみると、予想通り甲状腺中毒症となっていました。

 

 また、初めてバセドウ病と診断された患者さんもスマートウォッチを使っていて、最近心拍数が上がっていたと言っていました。

 

 常に心拍数をモニタリングしていると、甲状腺中毒症の発症を予測できるかもしれません。バセドウ病で治療中の患者さん、寛解状態の患者さんには、心拍数がモニタリングできるデバイスは有用かもしれません。

 

 心拍数をモニタリングしている方で、心拍数増加のアラートが頻繁に出る場合、一度甲状腺機能検査をしてみるといいかもしれません。

 明けましておめでとうございます。

 

 当クリニックは一昨日から診療開始いたしました。

 

 今年からクレジットカードが利用できるようになりました。

 

 クレジットカードの取り扱いはいろいろと手間がかかるのですが、思っていたよりも簡単でした。今はほとんどが暗証番号での認証ですし、署名が必要になっても電子署名なので、署名用伝票は不要です。署名された紙伝票は保管センターに月2回、郵送しなければならなかったのですが(しかも簡易書留でと指定されています)、電子署名だとそれが不要です。

 

 実際にクレジットカードを利用される患者さんも結構多く、より便利に受診いただけるようになったものと思われます。

 

 新型コロナウイルスのオミクロン株が急速に蔓延しており、また大変な1年になりそうですが、本年もどうぞよろしくお願いいたします。

 本日、年内の診療を終了いたしました。

 

 昨年末、クリニックの内装がダメージを受けてしまい、近い将来大規模な工事をしなければならないと書きました。今年中に工事しようと思っていたのですが、補償問題の解決に長時間を要してしまい、今年中の工事は実現しませんでした。来年には何らかの動きがありますので、また報告したいと思います。

 

 最近、自動釣銭機を導入いたしました(セブンイレブンに導入されているのと同じメーカーです)。また、来年からはクレジットカードが使えるようになりますので、どうぞご利用ください。

 

 来年もよろしくお願いいたします。