首に違和感がある、異物感がある、のどが詰まる感じがする、のどに物が引っかかる、痰がからむ、と言って、甲状腺が原因ではないかと来院される患者さんが多いです。
以前にも記事にしましたが、甲状腺疾患が原因で首に違和感が出現する、ということはほとんどありません。はっきりとした痛みが出現する病気はもちろんありますが、何となく違和感がある、という症状は起こしにくいのです。亜急性甲状腺炎では、明らかな痛みではなく、違和感程度におさまることはあるようです。また、よほど大きな腫瘤が甲状腺にできていれば、物を飲み込んだ時に違和感が出現することはあるでしょう。それ以外で症状が出現するような状態は思いつきません。
首の違和感、詰まる感じなどの症状が気になる場合は、まずは耳鼻咽喉科でのどの奥を診てもらってください。細いファイバースコープで確認してくれるはずです。物が引っかかるなどの症状がある場合は、消化器内科で上部消化管内視鏡検査(胃カメラ)を受けるのもいいでしょう。特に異常を指摘されない場合に、次の段階として甲状腺を診てもらうといいと思います。
ところで、甲状腺の位置を誤解している患者さんが多いようです。性別や年齢などによっても異なりますが、基本的に甲状腺は鎖骨のすぐ上、幅は4~5cm程度の臓器です。ときどき顎のすぐ下や、首の横の方を触って甲状腺が腫れている気がするという方がいますが、そこは甲状腺が存在する部位ではありません。
