当院では原則として血液検査の結果を採血当日にお話ししています。甲状腺を専門としている施設、あるいはある程度大きな総合病院や大学病院でも、当日結果が出るようになっている場合が多いでしょう。施設内に血液検査機器があるので、すぐに結果が判明するのです。

 

 院内検査のメリットは、その日のうちに結果が分かるので、すぐに治療方針が決められるということです。

 

 しかし、院内検査ができる施設は限られています。多くの施設では外部の検査機関に血液を提出し、検査をお願いすることになるので、検査結果が判明するのは数日後となります。

 

 他院に通院して内服薬を処方してもらっていた方の中で、当日中に検査結果が出ないとのことで、当院受診を希望されて来院された方が多くいらっしゃいます。話を聞いてみると、血液検査を行い、次回の受診予定である1~2カ月後にその時の結果を聞いて、投薬内容の変更をしてもらっていたとういう患者さんが何人かいました。確かに通院回数を減らすことができるので一見いいように思われますが、1~2カ月前の結果で判断するのでは遅すぎると思います(明らかな異常値になっていれば、あらかじめ連絡をくれるところもあるようです)。

 

 手間はかかりますが、結果が判明したらできるだけ早く結果を聞きに行き、内服の変更が必要ならすぐに対応してもらうことをお勧めします。

明けましておめでとうございます。

 

当クリニックは本日から診療開始です。

 

休み明けに心配なのが、検査機器がしっかり動くかどうかです。しばらくシャットダウンしていたので、測定の準備に普段より時間がかかります。うまく測定できないと患者さんを待たせることになりますので。いつもよりも早く家を出て準備しました。幸いうまく測定できています。

 

新年早々に緊急事態宣言が発令される見込みとなり、また大変な1年になりそうですが、本年もどうぞよろしくお願いいたします。

 今年は大変な1年でした。新型コロナウイルスに振り回され、いまだに感染の勢いが止まりません。

 

 医療施設には欠かせないマスクや消毒液が入手できず、今は手袋が手に入りません。手袋がないことは以前にも書きましたが、今も品薄が続いています。マスクや消毒液は入手できるようになりましたが、手袋はほとんどが輸入品ですので、なかなか日本に入ってこないようです。

 

 早くコロナが終息してくれることを願っていますが、ほとんどの人が感染して免疫を持つまでは終息しないでしょう。人から感染するか、ワクチン接種で抗体を持つかすれば、2回目以降の感染はごく軽い症状で済むはずですから、新型コロナウイルス感染症は「ただの風邪」ということになります。でもこうなるにはまだまだ時間がかかりそうです。

 

 今年はコロナ以外にも大きな出来事がありました。クリニックの内装がダメージを受けてしまい、近い将来大規模な工事をしなければなりません。しばらくの間、休診にするか、一時移転して診療するか... 実はそんなことになっています。

 

 来年もどうぞよろしくお願いいたします。

 甲状腺機能が低下する原因で最も多いのは慢性甲状腺炎(橋本病)です。慢性甲状腺炎(橋本病)の患者さんがすべて機能低下になるわけではなく、実際に機能低下になるのは1割程度と言われています。9割の方は機能正常であり、特に症状は出現しないということになります。

 

 甲状腺機能低下症になれば症状が出現する可能性がありますので、ホルモンの補充療法が必要になります。薬を飲み始めたら一生飲まなければならない患者さんが多いのですが、機能が改善して、内服を中止できる場合があります。

 

 内服中止の基準というのはありませんが、例えば1日の補充量がレボチロキシン(チラーヂン®S)25μgでTSH正常下限値付近なら、中止しても問題ないと思われます(不妊治療中や妊娠中の方は除きます)。

 

 極度の甲状腺機能低下症で発見される慢性甲状腺炎(橋本病)の患者さんがときどきいますが、ほとんど自覚症状がない場合もあります。そのような時、私は無治療で1ヵ月くらい経過観察としています。放置しておいて大丈夫なのかと言われるくらいの低下症でも、自然に回復することも多いようです。

 

 なぜ回復するのかについては良く分かっていないようです。無痛性甲状腺炎からの回復、ヨウ素過剰摂取をやめたことによる回復というのは分かりやすいですが、まったく原因不明ということが多いと思われます。

 開院して1年半、甲状腺が大きくなりすぎてしまったバセドウ病の患者さんを診る機会が増えてきました。

 

 甲状腺の推定重量が200gを超えるようなバセドウ病患者さんがいますが、そのような方はそこまで大きくなるまで気づかれなかったわけではありません(自覚症状もなく、そこまで大きくなるはずがありません)。内服薬で治療しているにも関わらず、大きくなってしまっているのです。ですから、今後さらに大きくなる可能性が高いと思われます。内服薬で機能を正常化するのも難しくなり、アイソトープ治療も効きにくくなります。完治させるには手術しかありませんが、大きくなればなるほど手術の難易度は上がります。小さい甲状腺の手術よりも、合併症を起こす可能性は高くなります。

 

 外科や耳鼻科で手術について相談したら、

 

「甲状腺が大きくなりすぎて、手術は危険を伴うので、このまま飲み薬で治療を続けましょう。」

 

と言われたという患者さんがいます。私はそのように言われたという方を何人も経験しています。将来もっと大きくなったらさらに危険性が増すのに、今手術しないでいつやるのでしょうか。そんなこと言われたら、すぐに転院しましょう。

 

 私の方針は、甲状腺の推定重量が100g近くになったらアイソトープ治療、200gを超えたら手術を勧めています。100から200gの場合は、治療してくれる施設で相談するようにと話しています。

 

 以前書いた記事(甲状腺が大きくなってしまったバセドウ病患者さんへ①)も参考にしてください。