8/25(土)9:00
岐阜市内。
チームメイトのYoshinari Nodaが自宅まで車で迎えに来てくれた。
これから一路信州松本方面へ向かう。
そう。日本最大級のヒルクライムイベントマウンテンサイクリングin乗鞍に出場するためである。
【コースプロフィール】
全長20.5km、標高差1,260m、平均勾配6.1%、ゴール地点の標高は国内舗装道路最高点の2,720m。名実共に日本一のヒルクライムコースとして申し分無い。
土曜日でも忙しそうなYoshinari Noda。彼はこう見えて経営者なのだ。今回は仕事で使っている車をワタシがオラオラで出せ出せ言うので渋々出動させてくれた。感謝!
※クルマは停車中です。皆さん道交法を遵守しましょう。
東海北陸道に入り、ひるがのSAで休憩。
そしたら、もう少し先で合流予定の2Go Matsunamiと遭遇。彼は家族で来ている。ワタシも去年までは家族と旅行を兼ねて乗鞍入りしていたが、子供がテストだの部活だの忙しくて今回はパス。
予定より合流が早くなったが、ここから一緒に乗鞍へ向かう。

飛騨清見インターを降り、高山清見道路に入って高山インターで降りて国道へ。
昼食を摂るため板蔵ラーメンへ。ここが2Go Matsunamiとの当初の合流予定地でもあった。
ドライブインのラーメン屋さん。「和風ダシ、あっさり醤油、ちぢれ麺」が特徴の板蔵ラーメン。ワタシはとんこつ系が好きだが、一方、こういう昔ながらの味も好きである。向かって右側は飛騨牛入りの混ぜご飯。
昼食を摂った後、出発。
高速に入る前にYoshinari Nodaが当たり前にオーダーして当たり前に飲んでいたローソンのカフェラテ。
ん?えっ!メガってなに?そんなんあるの?初めて知ったわ!
という事で興味本位でワタシも。 写真では分かりにくいが2ℓ位ある。勿論飲みきれず(いや、こんだけ飲んだらマジお腹くだるって...)。
安房トンネルを抜け順調に走る。
宿泊先は休暇村乗鞍高原。ここは明日の大会のスタート地点より2.3km上った地点にある。
今回で6回目の乗鞍となるが、2回目からずっと利用している。理由としては①ご飯が美味しい、②温泉のお湯が良い、そして何より③大会当日はスタート地点まで下るだけで良い点である。
時折、自走でここまで来て大会に出る方、大会に関係無く走っている方などを車窓から見ながらYoshinari Nodaと「凄いねー。頑張るねー!」などと徐々に実感の湧いてくる乗鞍入りにテンションを上げていた。
その反面、少し前から気になっていたのだが、エアコンの効きが悪くなっている気がしていた。
彼にもその事を伝え、「そう言われればそんな気がするね。」と。しかし水温計は上がってないし何だろうなー、と2人で思いながら走っていた矢先、受付場所まで数百メートル、宿泊先まで3km弱の上り坂で「ストン」とエンジンストップ!ボンネットを開けると水蒸気らしきものが立ち込めている。
こらアカンという事で、たまたま道路脇にペンションがあったので駐車場に突っ込む。ペンションの方に事情を説明して停めさせていただいた。実は初乗鞍の時に宿泊したペンションだった。勿論、対応してくださったオバチャンはワタシのことなどこれっぽっちも覚えている訳もなく、むしろ若干迷惑な顔した。そりゃそうだわなw
保険会社、JAF等に連絡を取り、後ほど積載車で宿泊先まで運んでもらう事に。先に宿泊先に到着した2Go Matsunamiに迎えに来てもらった。恩にきるぜ!いやそんなことないけど。
車は要修理になってしまったが、事故にならなかったのが幸いだね。
とりあえず出走のための受付を済ます。
車の対応に追われているYoshinari Nodaの分まで受付を済ませる。
受付 兼 スタート地点である乗鞍観光センターには自転車関連のブースが出展して賑わいを見せていた。これを見るのも密かな楽しみ。
BS NHKで放送中の自転車番組”チャリダー”のロケ。毎年、番組からも大会の出走者がいる。今回は過去最多だ。
大会名物”悪魔おじさん”のママチャリ。いつもゴール手前でハンドルに付いたパフパフを鳴らしながら一生懸命応援してくれる。
実は自宅を出る前に気付いたフロントタイヤのサイドカット。乗鞍までの道程を考えると、購入する時間も店も無いので、出展ブースのどこかで購入しようと思っていた。
コンチのGP4000S2を探したが、無かったのでパナのGillarを購入。万が一、ブース販売が無いとマズいのでコンチのゲータースキンをバックアップに持って行ったが、使わずに済んだ。気分的になるべく軽量なタイヤを使いたいからね。
このタイヤの存在は全く知らなかったのだが、表面がモチモチでグリップ良さそう!薄い!当然軽い!ヒルクライム向きやん!トレードオフの関係からいけば、耐パンク性は低そう。
故障した車を宿まで届けてもらったのち、3人で出展ブースを堪能。色々と物欲を刺激されたが、インソールのSOLE STAR(Yoshinari Nodaは買ったばかりのSidiのシューズサイズが合ってないと外国人さんスタッフに言われて凹んでた。挙げ句の果てにはシューズの使い道が無いので、帆を立てて船にして海に流せと言われた。散々やんw)、その他には第2世代Kobatoジャージの依頼先としてSUNVOLT(ワンピースタイプはみんな引くんやろか...)といったところか。
夕方になり、出展ブースもぼちぼちと撤収し始めたので、我々も宿に帰る。
宿泊先の休暇村乗鞍高原前。スタートから2.3km地点。
明日は宿の前を通過する。
夜はYoshinari Noda、2Go Matsunamiファミリーとバイキングを堪能。カーボローディングと称して腹一杯喰らう。
温泉ではYoshinari Nodaと色んな話をした。普段はそんなに時間が無いので自転車の話ぐらいしかしないが、今日は更にプライベートな事などもゆっくり話す事が出来て良かった。
11:30には床に就く。
8/26(日)5:00 晴れ
夜半過ぎに雨音で目が覚めて、どうなるかと心配したが、明け方にはすっかり止んで陽が射していた。
快晴。フルコースで走れる!嬉しい反面、「何故こんな辛い目をして上っているんだ?」という負の感情。いつもこの正反対の感情が交錯する。今年はどうだろうか。
3人で朝食を摂る。
5:30から朝食バイキング。現在は平常より早朝からバイキングをやっているのか知らないが、5年前は確か5:30には朝食サービスがやっていなかったので前日にお願いして、おにぎりを握ってもらってた記憶がある。いずれにしても大会参加者としては非常に有難いサービス。
2Go Matsunamiはしきりに後ろを気にする。敵国の誰かに狙われてでもいるのだろうか。
...そうでもないか。
外に出ると丁度良い気温。
車からバイクを出してセッティング。
車からバイクを出してセッティング。
山頂ゴールでの荷物受け取りが可能なので荷物を背負ってスタート地点に向かって下る。
朝陽が眩しい。これから大会が始まるのだ。
荷物を預けた後、アップを2本行い、心拍と脚に刺激を入れておく。ワイらごときに必要無い気もする。
観光センターにはクラス別にバイクが並べられている。
6:55
チャンピオンクラスのスタートが7:00なので、慌てて見に行く。
自分とは全く縁の無い別領域の選手がワラワラと並ぶ。
最前列はホビーレーサーと言えども有名人ばかり!ミーハーなワタシは毎度テンション上がる。個人的には兼松選手を応援。
チャンピオンクラスのスタート。チャンピオンクラスのみネットタイム方式ではなくグロスタイム方式。要するに1番早くゴールした選手が優勝。
女性の部。チャリダー卒業生の大宅さん。フレームはプロからホビーレーサーまで高い支持を集めるCARBONEX。
本気やわー。
8:00
スタート地点に並ぶ。あと5分で今年の乗鞍が始まる。
サイコンの調子が悪くなり、焦る2Go Matsunami。何度もリセットを試みる。
もうええやーん。パワーとか見れんでも(ワイは嫌やけど)。タイムは脚に巻いたセンサーが計測してくれるんやし。
スタートゲートに頭が当たるYoshinari Noda。
ギリッギリでサイコンが復活して余裕かますチョビヒゲ。
8:05 スタート!
今回の目標はひとつ。
昨年タイムを上回る事。
ちなみに昨年タイムは 1:32:57(おせっ...)
クラス別上位50%の辺り。頑張って走ったつもりでもこんなもん。
今年は目標達成の勝算でもあるのかと言えば、バイクをMeridaのエアロロードからScottのAddictに変更したので軽量化に成功した。
パワーメーターを導入したのでペースが掴みやすい。
その他は無い。ひとつ歳もとった。体重も去年とほぼ変わらず。
作戦はひとつ。
周りに惑わされることなく、マイペースで走り切る。
ワタシのFTPは215Wなので、1時間半近くになるともう少し下がるからAve.205〜210Wを目標にした。
スタート直後から2Go Matsunamiと付かず離れずの距離。いくらマイペースを保つと言ってもチームメイトなので多少の意識が働いてしまう。
一方でYoshinari Nodaは直後からマイペースをしっかりと守り、付いてこなかった。
休暇村乗鞍高原前(2.3km地点)
ここから画像無し。
大雪渓→GOAL(20.5km地点) Ave.181W
ひとしきり完走した事の喜びと山頂の景色を満喫した後、下山の列に並ぶ。
【おまけ】誰得なワタシのデータ
2Go Matsunamiの家族がワタシもフレーム内に収めてくれた。ありがとう!
まだまだ序盤で元気。元気なので抑えようとしてもパワーがAve.240W近辺で推移。アカン!もう少し落とさんと。
しばらく一緒に走っていた2Go Matsunamiは、そのうち前へ出ていっていなくなった。
ここから画像無し。
昨年のStravaとの比較で見てみよう。
※タイムに多少の誤差あり。
START→CP1 三本滝(7km地点) Ave.220W
CP1→CP2 位ケ原山荘(15km地点) Ave.191W
CP2→大雪渓(19.2km地点) Ave.183W
落とすつもりは全然無かったが、この区間だけで34秒落ち。トータル59秒落ち!
実はCP1を過ぎた辺りから脳裏をよぎっていた事があった。
「余力はあるけど、アゲたら反動でガクンと落ちるんじゃないか。」
この事に恐怖を感じて1回たりとも無理をしなかった。いや、出来なかったというのが本当のところだろう。
これは自分の限界点が体感的に把握出来ていない証拠以外の何物でもなかった。今年も限界を体感するような練習はしていなかった。言ってしまえば練習不足。いくらペースを守ると言っても、どこかに「頑張りどころ」は必要なわけで。
その頑張りどころが出せずにいた。
いつも走りながら思うような負の感情(辛い目をして走ることに意味があるのか)も湧いてこない。
それでも大雪渓に向かう途中まではタイム更新出来るんじゃないかと思っていた。
しかし甘かった。
大雪渓→GOAL(20.5km地点) Ave.181W
今年は例年に無くこの区間が混んでいて走りにくかった。
標高が高いので同じ強度でも体感的にはキツい。
今更であるが、怖くて温存して使わなかった余力を使い出す。しかし時すでに遅し。残り約300mで去年のタイムを迎えた。
あとはなるべくタイム差を拡大させないようにペダルを踏む。
最後はダンシングしようかと思ったが、シッティングでトルクを掛けて最後に数名を抜いてゴール。
【タイム 1:33:39(昨年より42秒落ち) 】
【順位 クラス別 上位50%(昨年と変わらず)】
ゴール後、しばらくは心拍も上がってしんどかったが昨年のような疲れは無く、バイクにまたがったまま景色を少し撮影してそのまま広場へ進んだ。
しばらくの後、Yoshinari Nodaと2Go Matsunamiと合流。
Yoshinari Nodaは初乗鞍だったので今回ひとつの基準が出来た。そして楽しめたようである。とても喜ばしい。
2Go Matsunamiはワタシと同様、昨年よりタイムが落ちた。ププッw
山頂は強風と寒さで防寒着が必要。ワタシもジレを1枚羽織った。
女子のお尻を撮りまくるYoshinari Noda。
そらヒゲも生えるわ。
ひとしきり完走した事の喜びと山頂の景色を満喫した後、下山の列に並ぶ。
下山。
美しい景色だよ。本当に。絶景を拝みに来るだけでも価値はある。
そう言えば3人で撮ってなかったな。
ひっ、ヒゲが伸びとる!
休暇村乗鞍高原まで下山後、風呂をお借りして汗を流す。こういうサービスは本当に有難い。
昼食を食べて2Go Matsunamiの家族とかけっこをして遊んだ。全然走れん...。サドルから下りると、全く使い物にならない脚だと痛感。
道路の規制が解け、申し合わせていた積載車が到着。岐阜の修理工場まで運んでもらう事になった。
Yoshinari Nodaとワタシは2Go Matsunamiの奥様のご厚意で車に同乗させてもらえる事になり大変助かった。ワタシ達2人分のスペースを確保するため、2Go Matsunamiのバイクも含めて 3人のバイクはYoshinari Nodaの車で積載車に載せられて岐阜まで帰って行った。
奥様、本当に有難うございました!乗せてもらいながら帰りの車中で寝落ちしてたとはとても言えん。
【総括】
不完全燃焼にて幕を閉じたが、その不甲斐なさはメンタルの要素が大部分を占める。
脚は残っていたし、心拍は体感的には余裕が無かったが、データから見るともう少し追い込めた。
このブログを書いている今日(8/29)までに今年のチャンピオンクラスで1時間を切るタイムの選手の動画などを観たが、聞こえてくる苦しそうな息づかいはワタシの比ではない。追い込み方がまるで違う。
自分はまだまだだな、と思った。
Stravaには「ロードやめようかと思う」などと書いてみたが、やっぱり完全燃焼したいわ。
来年も乗鞍を走ってみようかと思う。
おわり
緩やかにパワーが下降していくダメな見本。最後にビュッと上がっているのはゴール前50m位を頑張っただけ...。
最終的には目標とした平均パワーを下回るAve.196W(NPはかろうじて200を超えた)
ダンシング0.4%って少なすぎるやろ...。攻めるダンシング、休むダンシングをマスターしたい。



























