今日は就職先を探すため、人材紹介会社に行ってきます。
鬱の影響なのか、あまり人に会いたい気分ではありませんが、背に腹は代えられません。
年内には内定を取り、年明けには働き始めていないと、生活費が底をつきます。
事前に十分な蓄えをして、しばらくの間無職でも耐えられるようにしてから退職したのですが、思わぬ事態が発生して、蓄えのうち約3分の2は使えなくなってしまいました。
悪いときには悪いことが重なるものです。
仕事は探せば見つかるかも知れませんが、年内にはこの精神状態から復帰できないと思います。
私はたぶん、完治しないまま、社会に戻ることになるでしょう。
そのとき、一つでも自分の精神のコントロールを間違ったら・・・。
今度こそ私は、社会に戻ることさえかなわない程のダメージを受けることになるかもしれません。
どうしても物事を否定的に捕らえてしまい、そのまま先のことを想像して、自分を苦しめてしまいます。
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係長とのミーティングの内容は、やはり退職願のことでした。
係長は、目に涙を浮かべて引き留めてくれました。
やはり、10年間苦楽を共にしてきた上司です。
社内における、私の最大の理解者でした。
私の作る製品は、係長の言葉を借りると革新的なものが多く、その為、保守的であったり理解できない人には容認されず、攻撃を受けてしまうことがしばしばあったそうです。
係長は、そんな攻撃から私を守ってくれた人でした。
私は、係長の熱心な説得を聞きながら、自分がしていることに大きな間違いがあることに気づきました。
私のしていることは、係長や、私を支えてくれる人たちの心を傷つける行為ではないのか、だとすれば、私は、自分が受けた傷を、周囲の大恩ある人たちにぶちまけているだけではないのか。
自分は、今まで私を壊してきた連中と変わらないのではないか。
ショックでした。
私は、自分のした行為を誤魔化すべく、係長にこう言いました。
「私はもう、この会社では必要とされていない人間なのです」
自分が会社に居られない理由を、適当に取り繕って置き換えました。
卑怯でした。
係長は黙って首を横に振りました。
営業研修に私が参加するという一件は、係長の判断でした。
係長はそれに、責任を感じてしまったのかも知れません。
営業研修決定の一件が、私の決意を確定させたのは事実です。
ですがそれは、パンパンに膨らんだ風船に、一瞬針を突き立てただけのことでした。
パンパンに膨らんだ風船は、針を突き立てなかったとしても、いずれはどこかに触れて破裂していたと思うのです。
風船をパンパンに膨らませた原因も、そうなるまで空気を抜かなかった私の判断も、係長にはなんの関係も無いことでした。
心が痛みました。
会社の帰り道、私は一駅前で下りて、歩きながら自分の行為について考えました。
この精神状態故に、周りを見た冷静な判断ができなかったのだから、しょうがない。
私は自分にそう言い聞かせましたが、もう一人の自分はそんな私に冷ややかに言い放ちました。「言い訳だよ」。
夜になると、スーツの上着を着ていても寒く感じる季節でした。
静かな闇が、ヘッドライトで眩しく照らし出され、暴走気味の改造車が、クラクションをけたたましく鳴らしながら、私を追い抜いていきました。
その車が通り過ぎるのを見た私の心には、なぜかあの40代社員の顔が思い浮かんでいました。
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2005年9月22日 (木)