バレリーナ

ぱさぱさに乾いてゆく心をひとのせいにはするな

みずから水やりを怠っておいて


気難しくなってきたのを友人のせいにはするな

しなやかさを失ったのはどちらなのか


苛立つのを近親のせいにするな

なにもかも下手だったのはわたくし


初心消えかかるのを 暮らしのせいにはするな

そもそもが ひよわな志にすぎなかった


駄目なことの一切を 時代のせいにはするな

わずかに光る尊厳の放棄


自分の感受性ぐらい自分で守れ

ばかものよ


これは先日お亡くなりになられた茨木のりこさんの詩です。

私がこの詩に出会ったのは大阪でOLをしていた頃、会社の研修の最終日に配られたものでした。

頭をがーんとなぐられたような感じがして、涙があふれてきたのを今でも覚えています。

この詩はそれからの私の考え方を大きく変えてくれました。


茨木のりこさんのご冥福を心よりお祈りいたします。