過剰診断の被害を抑えるのはなぜ難しいの? | TMSジャパン公式ブログ

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菊地臣一福島県立医科大学前理事長兼学長の「専門家から見れば噴飯もの」という発言で物議を醸してしまいましたが、元福島県立医科大学の村上道夫准教授らは、子どもの甲状腺がんの過剰診断(無症状のうちに発見されなければ、生涯症状を出したり生命に影響を及ぼしたりすることのなかったがんを見つけること)による害を4つ指摘しています。

1.小児がんを経験した人は、身体的な負担だけでなく、就職や結婚などに際し、心理的・社会的な不利益を被る。


2.過剰診断を防ぐことができなかった医療従事者は罪悪感に苦しむ。
 

3.過剰診断が起こると、あたかもその集団で甲状腺がんが本当に増加しているかのように見えるため、社会に恐怖と混乱を引き起こす。
 

4.過剰診断は、がんを増加させている真の要因を隠す。
        

 

 

 

 

 

事実、IARC(国際がん研究機関)は「原子力事故後の周辺地域における甲状腺がんスクリーニングを推奨しない」と勧告していますし、USPSTF(米国予防医学専門委員会)も「甲状腺がんスクリーニングの害は利益を上回る」と指摘しています。さらに、韓国・カナダ・フランスなどのヨーロッパも甲状腺がんの過剰診断について警告を発しており、甲状腺がんのスクリーニングは国際的に推奨されていません。

 

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