TMSジャパン公式ブログ

TMSジャパン公式ブログ

      健全な肉体は健全な精神に宿る     

🟥 概要
🔹O-リングテスト(正式名称:バイ・デジタルO-リングテスト、Bi-Digital O-Ring Test / BDORT)は、患者の手の指で作った輪(O-リング)の筋力変化を利用して、体内の疾患や臓器の異常、薬剤の適合性などを診断すると主張される代替医療の手技である。1977年頃に大村恵昭によって考案され、1993年には米国で特許が取得された。しかし、結果が施術者の主観や思い込みに大きく左右され、客観的な再現性や医学的根拠が存在しないことから、各国の医療機関や科学的評価においては「疑似科学(ニセ医学)」と判定されている。



(A4サイズで印刷可能です。ご自由にお使いください)

 

 

🟥 診断方法と多様な言説
🔹基本手技と特許
🔸患者が指で形成した輪(O-リング)に対し、施術者が指を引っ張って開くかどうかで筋力の強弱を判定する。患部への刺激や有害物の保持により筋力が低下し、有効な薬剤や正常な状態では筋力が維持されるとされる。米国特許(US 5188107)を取得しているが、これはアイデアの新規性に対する認可であり、医学的効能を保証するものではない。
🔹派生手法と拡張主張:病気の診断や薬の適否判定にとどまらず、以下のような多様な派生手技・主張が存在する。
🔹間接法:乳幼児や意識障害患者に対し、第三者を介して測定する手法。
🔹遠隔診断:電話越しに受話器を患部に当てさせ、施術者が自身の指でテストを行って判定する手法。
🔹その他の拡張:太陽光エネルギーを紙に蓄積させて治療に用いる主張(SESP)や、カラーセラピーとの結合、さらには個人の「運命」を測定できるとする言説まで乱立している。

🟥 科学的・医学的検証と批判
🔹理論的矛盾と主観依存
🔸生理学的矛盾:神経や筋肉の生理学的反応メカニズムでは、第三者を挟む「間接法」や「電話による遠隔診断」、「運命の測定」といった主張を合理的に説明できない。
🔸現性の欠如:二重盲検法などの科学的条件下で客観的な再現性が証明されておらず、査読付き学術論文による検証可能な根拠も提示されていない。
🔸オペレーター依存:診断結果は施術者の予期や信念(主観・思い込み)に依存する。明治大学科学コミュニケーション研究所(Gijika.com)の評定では、歴史性を除く全項目で最低評価(E)とされ、「こっくりさん」や心理的錯覚と同様の構図であると分析されている。
🔹公的裁判および専門機関の評価
🔸ニュージーランド医療従事者懲戒裁判所(MPDT)の判決:BDORTを排他的に用いて一般的な医学的診断を行わなかった医師に対し、懲戒処分が下された。裁判所は「医療上の決定を下すための妥当性、信頼性、科学性がない」と認定し、適切な診断を行わず患者を死亡させた事例等において、医師免許の剥奪および罰金刑を科した。
🔸Quackwatch等の評価:アメリカの医療詐欺検証サイト「Quackwatch」や科学教育機関(American Institute for Technology and Science Educationなど)は、BDORTを典型的なニセ医学(quackery)と認めており、考案者の経歴や資格の正確性に対しても懸念が示されている。

🟥 結論
🔸O-リングテスト(BDORT)は、指の筋力の強弱を通して生体情報を感知できるとする代替医療手技であり、米国特許の取得や様々な派生理論が存在するものの、その効果や理論背景に科学的・医学的根拠はない。診断結果が施術者の主観や思い込みに左右される上、客観的な再現性を欠くため、一般的な医学界・科学界からは「疑似科学」と結論づけられている。これを既存の適切な医療診断の代用として排他的に使用することは、重篤な疾患の見落としや適切な治療の遅れを引き起こし、健康被害につながる危険性を孕んでいる。

💖科学的に正確な情報が必要な方に届きますように💖

O-リングテスト
🔗https://ja.wikipedia.org/wiki/O-%E3%83%AA%E3%83%B3%E3%82%B0%E3%83%86%E3%82%B9%E3%83%88
O-リングテスト
🔗https://web.archive.org/web/20260308163200/https://gijika.com/rate/am_o_ring.html
Some Notes on the Bi-Digital O-Ring Test and Quantum Reflex Analysis
🔗https://quackwatch.org/related/tests/bdort/
BDORT
🔗https://en.wikipedia.org/wiki/BDORT