独り言    7月14日-1-11-266 | はなのブログ

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びわ    266

 こんなことがあった。
 もう、ずいぶん昔のことである。
 暑い日だった。
 ぼくは、道頓堀を歩いていた。
 たしか、映画のスティングを観た帰りだった。
 中座の近くにある古本屋に立ち寄った。
 店名は失念した。
 けっこう有名な店で、織田作之助もちょくちょく
寄ってたらしい。
 いちど新聞で、店主が暴漢に襲われたと出ていた。
 店に入り書棚を見ると、いきなり欲しかった本が並
んでいた。前編・後編、二巻である。
 書名は、東国の人びと、著者は村上一郎である。
 値段は、各2400円とある。当時としては高価な本
であるが、古本だから、当然安く手に入った。
 本は、ぼくにとって食事と同等のかけがえのないも
のであるが、読みたいと思っても、かなうことができな
かった本が、見つけて、手に入れたことほど嬉しいこ
とはない。
 ちなみに、著者の村上一郎は、ぼくが東国の人びと
を手に入れた、数年前に割腹自殺をしている。