びわ 260
こんなことがあった。
学生のころである。
夏休みにバイトをして、帰省が少し遅くなった。
暑い日だった。
そのころ銀河2号と言うのが走っていた。
午後11時頃、東京を発って午前7時過ぎに
大阪に着く。
列車は空席が多かった。
ぼくは、指定席を探した。見つかった。
通路側だった。
窓側には学生だろうか、女性が座っていた。
ぼくが座席に着くと、女性がちらっとぼくを見た。
そして云った。指定券を見せてください。
ぼくは、ズボンのポケットから出して見せた。
女性は、黙って指定券を返してきた。
ぼくはシゲシゲと女性の顔を眺めた。
ブスだった。