青梅 231
花村満月氏の言によると、あまたの男は、自らの事を
頭がいいと思っているらしい。
ぼくも男だから、自らの事を振り返ってみれば、そういう
ときもあるし、あるいはまた、劣等感にさいなまれることも
ある。
年中、劣等感に悩んでいれば、まいにちが面白くなく、お
そらくは鬱状態になるであろう。かといって、おいらこそ頭が
いい男だとうぬぼれても、日常の中で無知を思い知らされる。
知識と言うものは、自らの経験から得られるものはわずか
である。ぼくの脳裏にある知識の多くが、他人の経験である。
他人と言っても、歴史に名を成した偉人の経験知もあれば、
無名の人々の経験知もあるが、なにせ浅学菲才のぼくなれば、
はなはだ勉強不足で恥ずかしい限りだ。
わずかな知識なれど、人生行路を脱線しないように運行を計
らねばならぬ。いや待てよ、ぼくの人生は、すでに悪路を歩ん
でいるのかもしれない。