運動靴 171
いやはや、なんでこんなことに思い煩わねばならないか、その理不
尽さに憤懣やるかたない。なにがって、レーの代車のガソリン量の少
なさである。前回も、今回もまたガソリンがわずかしか入っていない。
ガソリンをもう少し大目に入れてくれってくれって要請してあったのに
またもや少ない。ぼくもケチだが、この工場のおやじも、ボク以上のケ
チだ、負けてなるものか。絶対に、ぼくのお金でガソリンを入れてやる
ものか。代車の燃料は工場が支払うものだ。
それにしてもどうしようか。ルートは三本ある。一本は鳴池線をまっ
すぐ東に走り、上板、藍住、北島、川内という道である。本来ならばこ
のラインが本命であるが、いかんせん信号が多くガソリンを一番消費
するにちがいないからダメだ。二本目は、上板、藍住、それから吉野
川の土手沿いに走り川内に至るラインだ。このラインは一本目よりか
はベターであるが、それでもガス欠の不安は拭えない。最後の三本目
のラインが一番最短であり、信号もほとんどない。それならば思い煩う
ことなくこのラインを走行すればいいのだが、おおきな欠点もあるので
ある。
三本目のラインとは、吉野川の土手を走行するのである。なるほど信
号はないし、直線だから最短コースであるが、万が一土手の上でガス
欠になれば最悪である。このコースはスピードがでる道なので、ガス欠
で車が停止すると渋滞になる可能性もある。
思案の結果、勇気を出して三本目のルートを走ることにした。橋を二
本横切って、最後の古川橋の橋げたをくぐったときに、メーターの針に
目をやれば、針は〇のところをさしていた。あと一キロ、エンジンよ止ま
るな。
無事、着きました。