独り言    2月11日-2-31-124 | はなのブログ

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雪だるま     124
   風鈴に大きな月のかかりけり    高濱 虚子
 
わが家の都はるみが、あらたたまって、ぼくに言った。
 長いことお世話になりました。本日をもってこの家を出ます。
 つきましては、長男は残していきますが、長女は私と一緒に
 行かせてください。と云って頭を下げた。
 藪から坊にこんなことを言われても、ハイそうですかとも言え
 ず、はなはだ困惑をした。
 思い返してみれば、自分勝手な亭主だった。優しい言葉もか
 けてやった記憶もない。
 なぜなんだ?ぼくは、ばかみたいにそう言った。
 理由は訊かないでください。とにかく、この家から出たいんです。
 このままこの家で暮らしていると、わたはダメになってしまいます。 
 まだやり直せると思うんです。わたしの我儘を許してください。
 妻は言葉を詰まらせた。
 それからしばらくして、妻と長女は家を去った。
 のこされた、ぼくと長男はうろたえた。
 おとうさん、どうするんだよ。
 どうするって、どうもしないよ。おまえと二人で生きていくだけさ。
 長男が泣き出した。ぼくも泣きたいと思った。
 あなたどうしたの。おきてよ、起きて。
 妻の言葉で目が覚めた。
 どうしたのよ。随分うなされていたわよ。悪い夢でも見たのね。