雪だるま 113
銀河の下犬に信頼されて行く 西東 三鬼
寝る子は育つ、と言いますけど、自分ながら呆れるほど眠れま
す。昼間、これだけ寝れば、夜は眠れないのではと、ご心配をた
まわるやもしれませんが、そのご懸念は無用です。夜は夜で熟
睡してしまいますので、わがことながら訝しい思いにあけくれて
おります。さわさりながら、心身ともにいたって故障などありませ
んのでご安心くださいませ。
毎日が健康で、しかも希望に満ちていれば、これ以上の幸福は
ありませんが、いつも恒常的に希望をもちつづけることなんて、不
可能と思います。ほとんどの生活は、ありふれた日常にすぎませ
ん。毎日が退屈で、あくびをかみ殺すばかりです。だから人は、安
直に非日常を味わいたくて、ギャンブルにはしるのでしょうが、非
日常は、ある種の陥穽で、足を滑らすと二度と這い上がれません。
だからこそ面白いのでしょうが、楽しむ程度と言うポジションを維持
することは困難をともないます。登山をみても、危険なほど面白い
のでしょう。命をはることこそ、生きている実感が味わえるのでしょ
う。ぼくは、恐がりなので、命を賭してまで、生命の実感を味わいた
いという望みはありませんが、何かをしたいと云うことは思っていま
すが、その何かが見当たらないのです。これ、といったひらめきが
おとずれません。ずーと、このまま何かに、出会わないのかもしれ
ません。