独り言    1月8日-3-24-24 | はなのブログ

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門松     24
   しづかなる雨一夜あり松の内    能村 登四朗
 
小林秀雄は、大阪の街を歩いていて、突然頭の中に、モーッアル
トの交響曲四十番が鳴り響き、衝撃を受けた話は、夙に人口に膾
炙されたものだが、ぼくの場合は、そんな劇的なものではないが、
ビートルズを含め、二度ほどカルチャショックを受けたことがある。
 時は、ずいぶん昔。場所は神奈川県の溝口の、とあるアパート
である。友人の部屋に、無聊に倦んで、遊びに来ていたのである。
よしなしごとを云いて、時間を空疎に消費してたのであるが、ふと
あらぬほうに眼を見やれば、なんとソニーのトランジスタラジオが
あるではないか。友人に了解を得、手に取りスイッチを入れ、音を
試す為、FM放送に切り替えた。チューニングをするうちに、スピカ
ーからものすごい音の塊が飛び出してきたのである。一体これは
なんだと思った。雑音ではないことはわかったが、どうやら楽器が
奏でている音ということも気づいたが、はたして、この音の塊をな
んとよんでいいのか判然としなかった。友人に訊いても、そっちの
方は闇夜のほうで、皆目わからんという返事。ライオンを知らぬ人
が、いきなりライオンと対面した感じと、受け止めてほしい。音が
終わると、女性のアナウンサーが、ジョン・コルトレーンのアセン
ションでした、と言ったようだが、これは後で調べて判った話であ
ろ。これ以来ぼくは、この傲慢な音の塊を解明すべく努力を重ね
た結果、これがジャズというもので、しかも最前衛のフリージャズ
というもんであり、その後、そのフリージャズに取りつかれ、ミイラ
取がミイラになってしまいました、とさ。