野良猫 835
地球儀の見えぬ半分ひっそりと冷えいん青年学級の休日
寺山 修司
目覚めの後は、なぜか不機嫌である。おはようの言葉さえはらだ
たしい。しかし、しばらくすると爽快な感じがしてくる。ねこちゃんな
んかがもぶれついてくると嬉しくなる。なでてやりたい。おまえはか
わいいやつだ。
朝は、なにを食べようか。やはり納豆がいいかな。かぶらの漬物
もあるといいな。焼き海苔もほしいものだ。それだけあれば満足で
ある。それ以外なんにもいらない。
さて今日は何をなすべきか。あれもしよう、これもしなくちゃ、とい
うことは数々あれど、さてなにを優先してなさねばならぬか。資料
の整理がなおざりりされているので片付けなければならぬが、な
んだか面倒くさい。お正月の休みがあるので、そのときにしようと
いう怠惰な気分になっているので、やはり好きな読書に終始してし
まいそうであるが、そこはそれ克己心を発揮して、なすべきことはな
さなければならない。どうせいつかはなさなければならぬからであ
る。
人と恋しい。誰かに会いたい。だからといって、その誰かが思いう
かばない。自分自身に誰に会いたいか問いかけても、そのだれかが
どうしても思い浮かばない。こまったもんだ。誰に会いたいのだろうか