野良猫 829
外光や友亡き者の冬の旅 中村 草田男
いやはや、なんですね。と云いながら何を云おうか考えていますが、
なんにも浮かんできません。毎日まいにちこんなくだらないことを書か
なければいけないなんて、実にバカバカしいことのように思いますが、
習慣ということは恐ろしいものですね、なんと書かずにはいられないよ
うになっちゃいました。忸怩たる気持ちに襲われます。ほんまに。
さッ、今日は何をしようかな、と自らに問いかけても、何もすることは
ありません。いつものように読書と午睡に明け暮れるんでしようか。こ
んな生活は飽き飽きしているんですが、かといってほかになにをする
ような予定はありません。実に、つまらない人生です。ハードボイルド
の小説のように、はらはらどきどきするようなことがあれば楽しいんで
しょうが、かといってはらはらどきどきには危険がともないますから、ぼ
くは向いていないでしょうね。ぼくには、いまのような詰まらない平々凡
々な生活がふさわしい気がたします。人にはそれぞれその人に合った
生き方があるんですね。ぼくには、いくら退屈で詰まらない生活といえ
ど、このような生活が似合っているのかもしれません。いやはやですが
いたしかたがありません。詰まらない生活を送っていく覚悟をしていま
すが、つまらなくても生きているということはありがたい、そしてかたじ
けないことと感謝しなければならないかと思うと情けない気持ちになり
ますが、これもいたしかたがないと諦めざるを得ません。では