柿一個 752
風雲の少しく遊ぶ冬至かな 石田 波郷
昼食のあとの午睡ほどありがたいものはない。会社員だったころ
は、お昼の後は机にうつぶせになり、うとうとするぐらいだったが、
今の仕事になってからは、一時間ばかり、たっぷりと眠ることがで
きるようになったが、問題もあるのである。
それはいやな夢ばかし見るのである。いわゆる悪夢というたつ
である。夢にでてくるやつは、ことごとく会いたくないやつばかりで、
会いたいやっなんか一人もでてこないのである。こんなことなら午
睡なんかしなくてもいいように考えるが、どうもお昼を食べるとうと
うととしてしまうのだ。楽しい夢なんて、絶えてみたことがない。子
供の頃は見たようにおもうのであるが、それがどんな夢だったか
思い出せない。女の子、あるいは食べ物の夢だったであろうか。
振り返れば、日本も豊かになったものである。家の中を見回せて
もテレビ、エアコン、冷蔵庫、電器炬燵、パソコン、掃除機、電子レ
ンジが、何処の家にもあるし、自家用車も二台三台あるではない
か。
革命が起きたわけでもないのに、いつのまにやら豊かになってい
るではないか。ところがたしかに豊かになったのであるが、なぜか満
たされない。どうやら物質やお金を増やしていく方向には、幸福感が
ないみたいだ。なのに何故お金儲けをしようとするのであろうか。お
金を得れば幸福感も得られると思っているんじゃないかしら。まあ、
やってみてください。大金を得られて幸福感が得られたら教えてくだ
さい。それからぼくはお金儲けをいたしますから。