豚のしっぽ 611
海に出て木枯帰るところなし 山口 誓子
小津さんの話をするときりがないので、このへんでやめますが、
ぼくはまだまだ小津監督の話がしたいし、また小津監督の話を聞
きたい気持ちは一杯です。ぼくのブログ友達のオズヤスさんが、
長い間休まれていましたが、先日、再開しましたので小津さんの
記事を楽しみにしていえます。
思えば日本映画は、1945年ごろから1960年にかけて、溝口
健二を始として、小津安二郎、黒澤明、木下恵介、そして成瀬巳
喜男などの作品などは、世界のトップレベルの映画監督を輩出し
ていたのでした。作品の評価には時間がかかります。幸い溝口
健二はヨーロッパで、黒澤明はアメリカで人気が出て、高い評価
を得ましたが、小津安二郎は日本でこそ高い評価を得ていました
が、世界的には、ほとんど無名の監督でした。そして映画関係者
においてすら、あまりにも日本的親子の物語なので、世界には理
解してもらえないだろうと言われていました。小津監督もそう思っ
ていたかもしれません。小津さんは、秋刀魚の味を最後に、196
3年12月12日丁度60歳の誕生日に亡くなりました。葬式には、
喪服を着た女優が沢山お別れに来たようです。それから次第に、
イギリスの映画評論家の間で評価が上がり、パリの映画館を満員
にしたのは、東京物語が日本で上映されてから20年経過していま
した。そしてこの間、ぼくがブログで書いたように、10年おきに発表
される英国映画協会の、監督が選ぶベスト監督に今年1位。映画
評論家が選ぶベスト監督3位に選ばれました。なんと51年かかっ
たわけです。好いものは古くならない、という法則は健在です。