花火 533
愚問の最たるものに、今度、異性に生まれることが
できるとしたら、いかがなものか?と言うのがある。
ぼくは、現在、男であるからして、女に生まれると言
うことであろう。
ごめんである。ぼくは、女なんかにはなりたくない。
子供の時なんか、男の子は沢山の遊びが会った。し
かるに女の子の遊びは、少なかったように思う。ままご
と遊び、人形遊び、すごろく、おはじきなど、おおむね室
内の遊びがおおかったようだが、男の子は、山で、川で、
森で、野原で、と、ちゃんばら、相撲、野球、かくれんぼ、
なかでも、女の子には真似が出来なかったのは、オシッ
コの飛ばしっこである。これだけでも男に生まれてよかっ
た。
もし、ぼくが女に生まれていたならば、大人になれば、
多くの場合、男と付き合わねばならぬであろう。これが
実に、たまらなくいやなことである。相手が、二十歳前
後ならいざ知らず、三十も越すと、腹が出てきて、裸に
なれば狸の置物のようになるではないか。こんなのと
同衾しなければならぬと思うと、女にはなりたくない。